このようなアピールを伴う政治運動を「テクノ・ポピュリズム」と呼ぶ。テクノクラシー(技術家政治)とポピュリズムを組み合わせた造語で、政策決定がイデオロギーや情緒的な世論ではなく、データ、統計、科学的根拠に基づいて行われるものを指す。
有権者と指導者は直接的な結び付きを強めるとともに、具体的に何ができるのか、何ができたのかという成果にフォーカスされている。
そして、この国民民主党のテクノ・ポピュリズムを見事に政策として取り込み、最も効果的な形で「お株を取った」のは、高市政権であった。
ガソリン減税と「103万円の壁」引き上げは、昨夏の参院選で大躍進した国民民主党の悲願であったが、石破政権時には3党合意の実現が遅々として進まない状況になっていた。だが、高市政権が発足後わずか2カ月で、年内実施に舵を切った。その実行力への評価が高い支持率につながっている。
最大の勝者は「高市政権」
税制改正直後は、最大の勝者が国民民主党といわれていたが、実は高市政権であったことが衆院選で明確になった格好である。この点において重要なのは、決して「自民党」の評価ではなく、「高市氏」個人の評価であったことだ。
衆院解散を表明した記者会見で「自民党と日本維新の会で過半数の議席を獲得すれば高市首相、そうでなければ野田佳彦首相か斉藤鉄夫首相か別の人か」などと明言したことがまさにそれを示している。
政治学者のクリストファー・ビッカートンらは、テクノ・ポピュリズムの指導者たちが国民の間にわだかまる「反政党感情」を糧にしていると述べ、それを自分たちの政党政治にうまく活用していると主張した(‘Techno-populism’ as a new party family: the case of the Five Star Movement and Podemos/Contemporary Italian Politics, Volume 10, Issue 2 (2018))。これが日本においては、皮肉なことに「高市氏」が「反政党感情」の最大の受け皿になった可能性を指摘することができるだろう。
2000年代初頭に「自民党をぶっ壊す」を合言葉に拡大した小泉旋風ではないが、「失われた30年」をもたらした「古い自民党」から距離を置いて、真に国民のための政治を実行してくれる有能なリーダーとしての高市氏個人の人気に裏付けられた選挙結果であることは否定しようがない。
この「反政党感情」に後押しされたのは、当然ながら国民民主党や参政党、チームみらいといった政党も同様である。


















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