「入居希望者の肌の色は何色?」と聞かれた…外国人の賃貸入居を阻む"見えない壁"の正体

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これについて、「賃貸業界として、外国籍の方を受け入れようという機運は高まっており、日本全国いろいろな業者が外国人入居に取り組み、成功しています。ビジネスとしても成立しています。実際、入居率が上がっている、つまり空室率が減っている事例を多く見聞きします」と伊吹氏。外国人は入居率向上のための有効なリソース(資源)というわけです。門前払いは経営上の機会損失に他なりません。

地道な成功事例の積み重ねが「偏見」緩和への第一歩

今回、取材したイチイは外国人入居者が安心して暮らせるよう、多言語対応や契約支援を実践しています。契約前には母国語で契約内容や生活ルールを丁寧に説明し、ゴミ出しなどのトラブルにつながりやすい点は覚書を作成して対応しています。

トラブルの原因は「外国人だから」ではなく「初めての経験だから」というのが同社の根底にある考え方です。外国人であること自体が問題ではなく、日本での生活が初めてであることに起因してトラブルが起こるというロジックのもと、日々、外国籍の方々と向き合っています。

私は、こうした小さな成功事例の積み重ねが、外国人は「生活ルールを守らない」「面倒ばかりでビジネスにならない」といった先入観の払拭につながると考えます。「騒動を起こしやすい(トラブルメーカー)」との固定観念は、リスクの過大評価や理解不足が原因でしょう。地道な成功体験の蓄積が過度なリスク評価の是正につながり、偏見緩和の一歩となって、円滑な外国人入居の実現を後押しします。

昨年(2025年)10月、住宅セーフティネット法が改正されました。国を挙げて、賃貸住宅のオーナーと住宅確保要配慮者(低所得者、被災者、高齢者、障害者、外国人など)の双方が安心して利用できる市場環境の整備に動き出しました。「課題先進国」の汚名返上へと本格始動です。

もう二度と「肌の色」で賃貸入居者が選別されるような悪例が繰り返されてはなりません。住宅は生活の基盤です。単なる雨・風をしのぐための装置ではなく、私たちの暮らしを支える大事な土台なのです。業界に身を置く一人の人間として、誰もが安心して理想の部屋探しができる社会の早期構築を望まずにはいられません。

平賀 功一 e住まい探しドットコム代表 住宅コンサルタント

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ひらが・こういち

住宅販売会社を経て独立。ネット上での住宅相談やセミナー講師にも従事。

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