「大坂なおみとは何が違った?」アメリカ生まれの"モデル金メダリスト"アイリーン・グー、中国に国籍変更で非難殺到したワケ

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スポーツアナリストたちは、グーは10億人を超える中国のスポーツ市場で唯一無二のアイコンになるチャンスを見出したのだ、と指摘する。

しかし、現在の政治情勢下では、「優れたビジネス」が「道徳的な妥協」に見えてしまうことがある。

アメリカメディアは、グーが厳しいインターネット検閲を行う国を代表しながら、自身は膨大なSNSフォロワーを抱えているという皮肉を繰り返し指摘した。この「偽善」ともとれる状況が彼女の報道の中心テーマとなり、もはや彼女は「ただのアスリート」とは見られなくなった。

米中の懸け橋になることは困難

アイリーン・グーをめぐる論争は、アスリートが「どちら側につくか」をますます期待される環境にアメリカが移行したことを露呈させている。グーは、2つの超大国がまさに引き裂かれようとする瞬間に、その懸け橋になろうと試みた。

しかし、根底にある政治的緊張が緩和されない限り、議論は収まることはないだろう。彼女を取り巻く世界は、彼女の二重のアイデンティティに対して寛容ではなくなっている。

結局のところ、彼女はアメリカの不安を映し出す鏡となった。人々が彼女を見るとき、そこに「成功」を誰が所有するのか、という未解決の問いが映し出されている。

バイエ・マクニール 作家

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Baye McNeil

ブルックリン出身の作家・コラムニスト・講演者。2004年に来日し、「The Japan Times」 などで執筆しながら、異文化の交差点で生きる経験や、人種・アイデンティティ・多様性について鋭い視点で発信している。代表作 『Hi! My Name is Loco and I am a Racist』 に続き、最新作『Words by Baye, Art by Miki』 では、日本人の妻と築いた人生をユーモアと洞察に満ちた筆致で綴る。日本社会の枠にとらわれない視点が話題を呼び、講演やワークショップも多数開催。ジャズ、映画、ラーメンをこよなく愛する。

ウェブサイト:Baye McNeil/life in Japan

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