「ディズニーとオープンAIが電撃契約!」→先鋭的にも感じるが、一歩引いて"冷静に見るべき"理由

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ディズニー
ディズニーはOpenAIと契約し、2026年初頭からDisney+でSora生成動画の提供を計画する(写真:筆者撮影)

電撃契約が日本でも話題になったが…

エンタメ業界の巨人・ディズニーと、SoraやChatGPTで知られる新進気鋭のオープンAIがライセンス契約を締結ーー。保守的なイメージもあるディズニーが25年12月に突如発表した内容は、日本でも少なからぬ話題となりました。

公式リリースでは、Disney+でSoraが生成した厳選動画を視聴できるなど、加入者向けの新たな体験を提供する方針が示されています。

さらに、ライセンスキャラクターを使った動画生成の提供を、26年初頭に開始する計画も打ち出しました。これは、ファンがキャラクターを使って独自の動画を作れるようにすることを想定したもので、『スター・ウォーズ』などを通じて育まれてきた二次創作文化の流れを踏まえた発想と言えます。

一方で、これをもってディズニーがオープンAIのツールを積極的に創作へ取り入れると宣言したわけではありません。少なくとも現時点でディズニーが示しているのは、創作そのものではなく、体験設計やファンとの関係性の領域にAIを置くというスタンスです。

ディズニーにとってIP(知的財産)は、単なる作品ではなく、長期にわたって価値を生み続ける事業資産です。ミッキーマウスに至っては誕生から約100年にわたり、映画やアニメにとどまらず、テーマパークや商品、ゲームなど、さまざまな形でその価値を更新し続けてきました。

そうしたIPを抱える企業にとって、生成AIの無秩序な利用は、創作の問題にとどまらず、ブランドや事業全体に影響しかねないリスクを伴います。作品数を積み上げ、一定のヒット率で回収するモデルの映画スタジオや配信プラットフォームに比べ、ディズニーは一つひとつのIPが事業全体に与える影響が大きい。だからこそ、生成AIとの関係を早い段階で整理する必要があったともいえます。

こうした現実的な判断は、ディズニー固有の企業文化というよりも、いま世界のエンターテインメント業界の現場で共有され始めている感覚に近いものです。

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