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ビジネス #その値段にはワケがある──ファンを離さない企業の賢い戦略

「モーニングは400円から…よし、100円からに変えよう!」 物価高に逆行、モーニングを値下げしたイケア。お得すぎるフードに秘められた賢い戦略

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今回のリニューアルには、イケアブランドのアイデンティティをどう表現するかという深い議論が交わされた。

10年前に朝食を提供していた時は、スクランブルエッグとベーコンといった、いわゆる一般的なモーニングのメニューを出していた。しかし、今回の刷新にあたっては、イチからメニュー作りが始まった。

「まず、『私たちのアイコニックな商品を入れたいよね』という話になりました。お客様にイケアらしさを体験していただくために、定番の商品のシナモンロールをメニューの主役にしたのはそのためです」(菊池さん)

「どこにでもある朝食」から、イケアでしか味わえない「ブランド体験としての朝食」へ。この思想の転換が、100円モーニングという強力なコンテンツを生んだのである。

飽きさせない「3カ月サイクル」の戦略

一方で、モーニングメニューだけではなく、頻繁に来店するリピーターを惹きつけ続ける仕組みも展開している。約3カ月に一度のペースで更新している「季節や期間限定メニュー」という戦略だ。

このシーズンに合わせたイケアのレストラン限定商品は、イケアの「スウェーデンらしさ」と「日本のローカルニーズ」を融合させている。スウェーデン本国では必ずしも主力ではないメニューであっても、日本の顧客が「週末に家族で少しいいものを食べたい」と願う心理をくみ取り、独自のラインナップを構築しているのだ。日本で人気が高いローストビーフや抹茶のデザートなどが、その代表例だ。

「さつまいもフェア」のメニュー(写真:イケア提供)
「ストロベリーフェア」のメニュー(写真:イケア提供)

これらの新メニューは、社内キッチンで毎週のように行われる試食会を経て世に出されるという。

「開発メンバーがデザインした料理を、ビジネス全体を考えるチームが実際に食べて議論します。その場で意見を出し合い、『これだと重すぎる』とか『こちらのほうが高級感がある』といった意見をもとに、その場でアレンジを加えていくんです。社内にいる外国籍のスタッフに『スウェーデン人から見てこれはどう思うか?』と意見を求めることもあります」(菊池さん)

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【イケアでしか味わえない「ブランド体験としての朝食」】

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