「転売の法的規制、どんな意味ある?」東大推薦入試問題の面白さと求められる能力

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このように、1つの社会問題を「複数の視点から」「多層的に」分析できる力が、東大推薦入試では求められているのです。

工学部「研究でどのように食の価値を向上させる?」

工学部では、事前課題として小論文を提出させていますが、ここでもユニークな問題が出題されています。

2018年の工学部の問題はこうでした。

「発明や発見は人間の独創的な活動によってもたらされ、新しい価値を生み出し、社会に様々な影響を与えてきた。これまでの人類の歴史の中で、あなたが特に独創的であると感じた発明や発見を1つ取り上げ、なぜそう感じたか、説明しなさい。また、あなたにとって、真の独創性とはどのようなことか、述べなさい」(600~800字)

この問題は、単に知識を問うのではなく、受験生自身の価値観や思考の深さを見ようとしています。例えば「洗濯機」を取り上げた場合、それが単なる便利な家電ではなく、家事労働から人々を解放し、特に女性の社会進出を促進したという社会的意義まで考察できるかが重要になります。

2019年の問題はさらに具体的です。

「私たちの食について考えよう。食は、美味しく、楽しく、健康的に、安く、早く、安全に、無駄なくなど、様々な価値基準から論じることができる。あなたが入学後に取り組みたい工学分野の研究や開発によって、どのように食の価値を向上させることができるか、独自の考えを具体的に記しなさい。」(600~800字)

この問題が秀逸なのは、「食」という誰もが日常的に関わるテーマを通じて、工学的アプローチの可能性を問うている点です。食品ロス削減のためのAI在庫管理システム、栄養バランスを最適化する個別化レシピ提案アプリ、食物アレルギー検知センサーなど、様々な切り口が考えられます。

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