「転売の法的規制、どんな意味ある?」東大推薦入試問題の面白さと求められる能力
まず身近な視点から考えてみましょう。最も明白なのは、チケットを購入する側、つまりサービスの利用者やファンが困るという点です。不正転売では、本来の定価より数倍高い値段で取引されているケースも珍しくありません。あまりにチケットが高額になると、本来参加したかった人が経済的理由で参加を諦めざるをえなくなり、本当に楽しみたい人が楽しめなくなってしまいます。
しかし、考えるべきステークホルダーはそれだけではありません。次に、もともとのチケット販売者やアーティスト側の視点で考えてみましょう。「転売ヤーも定価でチケットを買っているのだから、販売者に損はないのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、実はここにも大きな落とし穴があります。
販売者は潜在的に大きな機会損失を被っている
例えば、本来なら5000円で買えたはずのライブチケットを、転売価格の2万円で購入したとしましょう。もし定価の5000円で買えていたなら、そのファンは差額の1万5000円でグッズを購入したり、別の公演にも参加したりできたかもしれません。しかし2万円を転売チケットに費やしてしまうと、その1万5000円分の消費機会が失われてしまうのです。
この1万5000円は転売業者の懐に入るだけで、アーティストや主催者側には一切還元されません。つまり、販売者側としては、ファンに定価でチケットを買ってもらえた場合と比べて、潜在的に大きな機会損失を被っているということになります。
もちろん、その差額を必ずしもすべて関連商品に使うとは限りませんが、少なくとも長期的なファンとの関係構築という観点では、明らかにマイナスの影響があると言えるでしょう。


















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