「結局、評価は上司の好み…」部下の不信感はこう消す。若手の離職率を下げるドイツ流「フェアすぎる評価基準」4つの手順

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訓戒を与えるときは特にそうですが、ネガティブな評価や感情を伝えなければならない場面も、少なからずあります。しかし、ファクトの後に回すアプローチを取ることで、メンバーは指摘の意図を理解しやすくなります。

感情に引きずられないために

ステップ①〜③は理想的な流れですが、理解するだけでは実践に移せないでしょう。ファクトベースなやり取りが自然にできるよう、習慣に取り入れる必要があります。

・指導前に伝えるべき「事実」をメモしておく

指導を始める30分ほど前、5分間程度で良いので時間を取り、「事実」「問題点」「改善案」を3つの列に分けてメモします。もちろん、事実については、数字やデータ、日時、具体的な行動や発言など、誰もが同じように認識できる客観的な情報を集めます。

・会話の始め方を工夫する

「まず事実を確認させてください」

この言葉で会話を始めるだけで、感情ではなく事実から入る習慣が身につきます。

・NG表現の言い換えリスト作成

「もっと頑張るべきだよ」など、主観的な表現は感情的なやり取りにつながっていきます。「先月より売上が15%減少している」など、主観的表現を客観的表現に置き換えるリストを作成し、デスクに貼っておきましょう。

・「WHY」より「WHAT」を優先する

「なぜこんなミスをするのか」という問いから始まると詰問につながっていくので、「このデータのどこに誤りがあるのか」など、事実確認から始めるようにします。

・感情をコントロールする

感情的になりそうなときは、一度深呼吸してから話し始めましょう。それでも感情の高ぶりを自覚したら、その場を一時離れるか、もしくは、アンガーマネジメントの世界で有名な「6秒ルール(感情がピークに達したときに、6秒間だけ衝動的な言動を我慢する手法)」を実践します。

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・タイミングの選択

感情が落ち着かない場合は、「明日の午前中に改めて話し合いたいことがあります」と伝え、冷静になってから指導します。二度手間ですが、部下との関係がこじれることを想定すれば、決して高くない時間的コストです。

読んでいて「自分はこんな風に上司に育ててもらった覚えはない」と感じた読者もいることでしょう。そんな場合、いきなり意識を変えることは難しいでしょうから、部下と話す前に、紹介してきたような習慣を積み重ねることから始めましょう。

「ファクトを先に、感情は後に」というアプローチはドイツ式リーダーシップにおける重要なポイントです。問題点を指摘するだけではなく、具体的な行動改善につながる示唆を効果的に与えられます。また、建設的なやり取りですから、感情的に対立することなく、お互いを尊重し合う組織文化を維持しながら、メンバーの成長を強力に支援することができるのです。

西村 栄基 ビジネス書作家/ドイツ式リーダーシップ・コーチ

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にしむら・しげき / Shigeki Nishimura

国立大学理系修士課程修了。大前研一氏が学長を務めるBBT大学大学院でMBAを取得。自動車向け半導体部品を扱う商社で31年間にわたり欧州ビジネスに従事し、ドイツ駐在は通算18年。ドイツ企業の自律性と生産性の高さに衝撃を受け、日本企業における働き方と組織運営のあり方に問題意識を持つ。

30代前半での最初のドイツ駐在をきっかけに、成果と余白を両立する「ドイツ流の働き方」を日本の職場で実践。帰国後はMBA取得や脳科学・心理学・コミュニケーション領域への継続的な学びを経て、少数精鋭チームのマネジメントに活かし、残業ゼロ・有休消化率100%で高い生産性を実現する組織づくりに成功した。

2024年に初の著書『ドイツ人のすごい働き方 日本の3倍休んで成果は1.5倍の秘密』(すばる舎)を出版。日本的な「頑張り方」を手放し、自律と信頼で成果を出す働き方を提示した同書は話題となり、続編『ドイツ人のすごいリーダーシップ 上司が3週間休んでもうまくいく最高の仕組み』と合わせてシリーズ累計10万部を突破している。

現在は会社員生活を終えて独立し、ドイツ式の自律型組織・リーダーシップを軸に、経営者・管理職・プロフェッショナル向けの講演、企業研修、エグゼクティブコーチングを国内外で展開。「働くための人生ではなく、人生のために働く」をミッションに、日本と世界をつなぐ知の架け橋となることを目指している。

◎公式サイト→https://shigekinishimura.com/

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