興収10億円超えも評価は二分… ヒットメーカー・福田雄一監督の『新解釈・幕末伝』が"観客を選ぶ"背景
ただ、その勢いのあるテンポのよい会話劇と独特な間は、笑うときとスンとするときが両方ありながらも、誰もがいつの間にか作品の空気に取り込まれてしまう。
本作を絶賛する観客は少数派かもしれない。笑いのツボにハマらない観客には、長い2時間になる気もする。それでも、何かを伝えようとするメッセージ性を感じない、ただ笑って楽しむための映画には、観終わった後に心地よい爽快感のようなものがある。
世界が不穏な空気に満たされる昨今、日々の不安や正体不明の重圧感から解放してくれる、良質なエンターテインメントになっている。
シリーズ前作『新解釈・三國志』の3分の1の興収
そんな本作だが、公開から31日目で興収10億円を超えたものの、興行は好調とは言い難い出足になっている。12月19日からの公開週末3日間の成績は2.4億円となり、最終興収40.3億円の大ヒットを記録したシリーズ前作『新解釈・三國志』(2020年)の同期間の3分の1に留まった。
もちろんコロナ禍の映画が枯渇していた当時と現在では、作品を取り巻く環境が大きく変わっている。コロナ以降、映像メディアの過渡期を迎えている映画業界全体でヒット規模が縮小し、一部のメガヒット作とそれ以外に二極化している状況もある。
それでも、近年の福田作品は、かつてのような大ヒットを連発していた頃と比べて、勢いを失いつつあることが数字からは感じられる。
『銀魂』(17年)の38.4億円、『銀魂2 掟は破るためにこそある』(18年)の37億円のあと、『新解釈・三國志』と『今日から俺は!!劇場版』(20年)がそれぞれ40.3億円、53.7億円と大ヒットしている。


















無料会員登録はこちら
ログインはこちら