反中マルコス大統領が議長、ASEAN「4つの課題」/2026年のASEANが「黒歴史」を持つセブで開幕へ
それでもASEANの会議で中国に面と向かって物申す加盟国はフィリピン以外にない。中国の強大な軍事・経済力を前に露骨な批判を避け、中国寄りか、どっちつかずの姿勢をとっているのだ。逆に言えば、対中国でフィリピンは完全に浮いている。
マルコス氏は議長国就任の抱負として、ASEANと中国との間で長年課題となっている南シナ海行動規範(COC)の締結を掲げた。
しかしながら、中国が応じる可能性は低い。これまでも中国は交渉継続の姿勢を見せる一方で、域外国との合同軍事演習禁止や資源開発制限を求めて時間稼ぎを繰り返してきた。その間にフィリピンやベトナムの艦船を威嚇し、実効支配の既成事実を進めてきた。
ASEANと中国は2002年、南シナ海行動宣言(DOC)を締結した。そこでは国連海洋法条約(UNCLOS)の尊重や紛争の平和的解決、武力行使や脅迫の自制、軍事化や現状変更の禁止がうたわれた。
ところが中国は、フィリピンがUNCLOSに基づいて提訴し、勝訴した仲裁裁判の判決を「紙屑だ」と無視し、環礁を埋め立てて7つの巨大な人工島を造成した。
つまり中国は、DOCなどなかったように力に任せて傍若無人にふるまってきた。COCはDOCの原則に法的な根拠を与えようというものだが、中国は早期に締結する必要性を感じてはいない。南シナ海全域の実効支配を完成させたあとで、それを追認する形での締結を考えているはずだ。


















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