反中マルコス大統領が議長、ASEAN「4つの課題」/2026年のASEANが「黒歴史」を持つセブで開幕へ
今回のミャンマー総選挙は、2020年の前回選挙で大勝したNLDを排除した形で行われ、反軍政派はもとより欧米や日本も正統性を認めていない。ASEANは、軍政から選挙監視団の派遣を求められたものの、加盟国の意見がまとまらず、見送った経緯がある。
他方、中国、ロシア、インドなどは監視団を派遣しており、選挙後の政権を正式に認めることは確実だ。加盟国のなかでも隣接するタイやラオス、カンボジアなどは代表受け入れに前向きとみられる一方、合意をないがしろにして人権無視の弾圧を続ける軍政を継承する新政権に引き続き厳しい視線を送るASEAN加盟国もある。
フィリピンは、これまでシンガポールやマレーシア、インドネシアなどとともに軍政に厳しい姿勢を示してきた。現大統領の父による長期独裁政権を「ピープルパワー」で追放した1986年の政変や、その後何度も企てられたクーデターを乗り越えてきた経験から、フィリピンの歴代政権は建前として民主主義を尊重する姿勢を見せてきた。
2007年発効のASEAN憲章には「紛争の平和的解決」や「人権・民主主義の促進」がうたわれている。ミャンマーはいまだ内戦状態にあり、選挙ができない地域も多かった。人権団体によると、クーデター後、国軍に殺害された市民は7600人を超えている。
総選挙を経たと主張したところで、憲章の原則に合致した状況にないことは明らかだ。
選挙後の政権をASEANの一員として受け入れるのかどうか。マルコス氏は議長としてどう判断し、加盟国を納得させるか。
<課題2>タイ・カンボジアの停戦はどうなる?
ASEANはもう1つの域内で重大な紛争を抱えている。タイとカンボジア国境の戦闘だ。
2025年10月、アメリカのトランプ大統領の立ち会いの下でいったん和平合意が結ばれたが、タイ軍兵士が地雷によって負傷する事故が相次ぎ、タイ側が11月に合意の履行を停止し、再び戦闘状態に入った。
12月中には両国合わせて死者は計100人を超した。そこでトランプ氏が電話で介入し、12月27日に両国は再び停戦に合意した。
トランプ氏の立ち回りで陰は薄かったもののマレーシアのアンワル首相も仲介役として奔走した。年末ぎりぎりの合意に向けての橋渡しはASEAN議長として最後の仕事だった。
問題はこの停戦がいつまで続くか。恒久的な和平につなげられるかだ。


















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