反中マルコス大統領が議長、ASEAN「4つの課題」/2026年のASEANが「黒歴史」を持つセブで開幕へ
新年に入っても国境付近は不安定な状況が続いている。カンボジア側は「タイ軍が依然として自国領を占拠している」と主張し、小競り合いが続いている。多数の避難民も帰郷できていない。
両国はASEAN創設以前から陸海の国境線や宗教遺産の帰属、領有権をめぐり争ってきた。
2008年には両軍が国境に展開し、2011年にかけて断続的な砲撃や銃撃で民間人の犠牲者も出た。ASEANは外相会議を開いて、停戦の仲介を試みたが、最終的には2013年に国際司法裁判所(ICJ)が「紛争地であるプレアビヒア寺院の周辺高地はカンボジアに帰属する」との判断を示し、タイ軍の撤退を求めたことで収束した。
このように両国の争いに関してASEANの影はこれまでも薄かった。昨年からの紛争でも調停で力を発揮したのはASEAN ではなく米中、なかでもノーベル平和賞を渇望していたトランプ氏の剛腕だった。
<課題3>習近平は来るのか?
マルコス政権には他のASEAN加盟国と決定的に異なる点がある。その対中姿勢である。
2025年10月28日、クアラルンプールで催された中国・ASEAN首脳会議でマルコス氏は中国の李強首相を前に、南シナ海で自国の船舶や航空機が繰り返し嫌がらせを受けていると指摘し、「平和や繁栄の海であり続けることを望むなら、自制の重要性を忘れてはならない」と述べた。
さらに中国が同年9月にフィリピンの排他的経済水域(EEZ)内に「自然保護区」の設置を表明したことについて「国際法を露骨に無視し、我が国の主権を侵害するものだ」と非難した。
マルコス氏は続くアメリカ・ASEAN首脳会議と東アジアサミットでも繰り返し南シナ海における中国の横暴と自国の被害を訴え続けた。
南シナ海ではマレーシアとベトナム、ブルネイ、台湾も一部の領有権を主張している。これに対して中国は「10段線」と称して南シナ海のほぼ全域を自国領と主張し、係争国の船舶を多数の軍艦や民兵船で脅している。インドネシアもEEZ内にあるナトゥナ諸島周辺で中国の船舶と小競り合いを続け、緊張状態にある。


















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