中村鶴松(30)「泥酔逮捕」が歌舞伎界に招く超ド級の損失。映画『国宝』を地で行く"部屋子の星"に何が起きたのか?

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中村屋には中村七之助の結婚という祝いごとがあったばかりだ。昨年の大みそかにはフジテレビが「密着!中村屋ファミリー 勘九郎の涙 七之助の結婚 歌舞伎の絆…宿命の大舞台SP」を放映した。

番組では、勘三郎に「三人目の息子」として認められた“部屋子”としての中村鶴松の活躍ぶりを紹介し、ついに幹部昇進がかない「中村舞鶴」という新しい名を初代として襲名することも紹介していた。鶴松の自主公演成功のために熱心に指導する勘九郎の姿があった。

報道によれば、鶴松が事件を起こしたのは「18日未明」とあるから17日の深夜以降だ。本人は酒を飲んでいて覚えがないようなので、相当酩酊していたと思われる。

午前からの公演を控えて酩酊するまで飲んだ謎

しかし、18日は11時から興行があった。仮に事件がなかったとしても18日の未明に酩酊していて、公演に出られたのであろうか。興行日程では19日は休演日だ。18日の深夜(19日未明)に飲み明かしたならわからないでもないが、どのようなつもりだったのだろうか。

歌舞伎界は伝統と慣習が支配する独特な世界だ。それゆえに輝きを放っている部分も多いが、陰の部分も多く、差別や不祥事がたびたび問題となる。

映画『国宝』のなかで、横浜流星演じる御曹司・俊介が飲み明かして、楽屋に慌てて飛び込むシーンがある。御曹司ではない部屋子や国立劇場養成所の修了生も芸を引き継ぎ、実力があれば大役を演じる夢を実現できる世界になってほしいが、こうした慣習も学んでしまっているのであろうか。

歌舞伎という世界にまれな伝統芸能が商業演劇として人気を博していることは驚きであり、興行主松竹の功績と言えるが、その継続には課題が多い。

細川 幸一 日本女子大学名誉教授

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ほそかわ こういち / Koichi Hosokawa

専門は消費者政策、企業の社会的責任(CSR)。一橋大学博士(法学)。内閣府消費者委員会委員、埼玉県消費生活審議会会長代行、東京都消費生活対策審議会委員等を歴任。著書に『新版 大学生が知っておきたい 消費生活と法律』、『第2版 大学生が知っておきたい生活のなかの法律』(いずれも慶應義塾大学出版会)等がある。2021年に消費者保護活動の功績により内閣総理大臣表彰。歌舞伎を中心に観劇歴40年。自ら長唄三味線、沖縄三線をたしなむ。

 

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