舞台公演≪不可解ドタキャン≫頻発の裏事情 ハリー・ポッターから歌舞伎まで、観客への補償はどこまで?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
写真はイメージです(Graphs/PIXTA)

PCやスマホで気軽にエンタメを楽しめる時代になったが、人気のあるコンサートや演劇などの舞台芸術はチケット取得が難しくなっている。演じる者と観る者が、同じ時間と空間を共有する臨場感が観る者を魅了するからだろう。

だが、主催者側の都合による公演の“ドタキャン”が最近相次いでいる。5月22日に、東京・TBS赤坂ACTシアターで上演中の舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」の公演で、開演直前に突然中止が発表された。公式サイトでは、「5月22日(木)12:15公演中止の報告とお詫び」と題する文が掲載された。

中止の理由について、「公演関係者の体調不良により本日5月22日(木)12時15分の公演をやむを得ず急遽中止とさせていただきました」とした。チケット代金については、販売サイトを通じて払い戻しが可能となっている。

舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」公式サイトより

SNS上では不満の声

ただ、あまりにも突然すぎる中止に対して、SNS上では運営側の対応に疑問の声が多数上がっていた。「中止決定が遅すぎる」「中止の理由が明確でない」、「チケット代だけでなく交通費などかかった経費も補償してほしい」といった声だ。

リアルな舞台芸術は、何らかのトラブルがあると、公演中止となることはある。しかし、鑑賞する側は事前にチケットを購入し、その時間に公演が行われることを想定して、その場所に向かうのであるから、直前の中止は時間や交通費が無駄となる。遠路から来る観客の場合は宿泊を伴うこともあるだろう。

筆者が気になるのは、「公演関係者の体調不良により」というあいまいな発表だ。誰ともいわず、また出演者とも言っていない。公演中止発表は開演時間の15分ほど前だったようだが、こんな直前に中止を決めなければならない体調不良とは誰のどのようなものなのか。当日観劇を予定して足を運んでいた観客にとっては、それを知らされないと納得できないだろう。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事