小田急や東急並みに混む「新交通」の凄い実力 「日暮里・舎人ライナー」、7年に7回も増発
最混雑区間・時間帯の1時間あたり輸送人員において、7281人という数字は、おおまかに言うと、首都圏や関西圏を除く中小私鉄よりはるかに多く、東京モノレールを除く各モノレールの約2~3.5倍にも達するものである。
同程度、あるいは日暮里・舎人ライナー以下の輸送人員となっている地下鉄も、首都圏以外には存在する。大阪市営地下鉄千日前線の鶴橋→谷町九丁目間(7769人)、京都市営地下鉄東西線の山科→御陵間(7520人)などだ。
需要予測はオーバーしたが、さらなる輸送力増強は可能なので、日暮里・舎人ライナーに新交通システムを採用したことは妥当であったと考える。
地下鉄を掘るより安い新交通
日暮里・舎人ライナーは、ほぼ全線が既成市街地を縦貫する尾久橋通り(都市計画道路放射第11号線)の直上に、高架構造で建設されている。この幹線道路は1日約4万台の自動車通行台数があった。
道路を自動車交通と兼用するLRTを敷設するならば道路拡幅が不可欠だが、道路沿いにはビルや商業施設も多く、大規模な用地買収は難しい。
道路はもちろん、荒川などの下にもトンネルを掘削する必要がある地下鉄と違い、新交通システムは工事中の自動車交通を阻害することが少なく、建設費も安くつく。こういった点も、計画時には考慮されたに違いない。
けれども、難点がないわけではない。
日暮里・舎人ライナー開業前の、尾久橋通り沿いの主要交通機関は都バスで、「里48系統」が日暮里駅前~舎人間などを結んでいた。ところが朝夕などには慢性的な渋滞により、全線の所要時間が1時間にも及ぶことがあった。それゆえ、軌道系交通機関の導入が切望されたのだ。
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