相鉄「都心直結線」はどこへ乗り入れるのか 都心「進出」への長い道のり<後編>

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青とオレンジのコーポレートカラーに塗装された相鉄9000系(写真 : ニングル / PIXTA)

前編はこちら→ 悲願の相鉄「都心乗り入れ」はいつ実現するか

横浜市内の内陸部を横断する神奈川東部方面線の開業予定は当初、相鉄・JR直通線が2015年4月、相鉄・東急直通線が2019年4月とされていた。つまり、相鉄とJRの相互直通運転は半年ほど前から始まっていたはずだった。

だが、今も工事は終わっていない。整備主体の鉄道・運輸機構が2013年4月、相鉄・JR直通線の開業予定時期を2018年度内に変更すると発表したためだ。

かつての鉄道建設は、用地買収の難航や地質の問題による工事の難航などで、当初の予定より遅れるのが常であったが、ここ10年ほどは当初の予定どおりに開業することが多かったように思う。2011年3月に延伸開業した名古屋市地下鉄桜通線の野並~徳重間に至っては、当初の予定より4年も前倒ししたほどだ。

しかし、相鉄・JR直通線は全体的には順調に工事が進んでいるものの、貨物線への接続工事で想定以上の時間がかかることが判明し、早くても開業が3年遅れることになってしまったのだ。

工事時間の確保が難しい

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相鉄・JR直通線は、羽沢駅の先で分岐し、羽沢貨物線につながる接続線が設置される。接続線は上下線の各1本で、このうちJR線方面から相鉄線方面に向かう列車が走る線路は、羽沢貨物線の下り線から分岐して横浜羽沢駅構内の線路を数本くぐり、羽沢駅の方へ抜ける格好となる。

このため、羽沢貨物線の線路を仮受けしながら、接続線の線路を通す空間を作る必要があるのだが、羽沢貨物線では昼夜を問わず貨物列車が運行されており、昼間はもちろんのこと、深夜や未明も工事のための時間を確保するのが難しい。

貨物列車を一時的に運休する手もあるが、羽沢貨物線は太平洋ベルト地帯の大都市を結ぶ貨物大幹線の一部を構成しており、おいそれと運休できない。このため、貨物の輸送量が減少するゴールデンウィークや正月くらいしか、まとまった工事の時間を確保することができず、結果として工事のペースを落とさざるをえなくなってしまった。

「2018年度内」は、厳密にいえば2018年4月から2019年3月までで、仮に最も遅い開業になる2019年3月なら、1カ月後には相鉄・東急直通線も開業することになる。それなら2019年4月に神奈川東部方面線を全線一括で開業した方がよさそうだが、鉄道・運輸機構は「(相鉄・JR直通線は)現在も工期短縮を目指した検討を種々行っている」としており、依然として相鉄・JR直通線と相鉄・東急直通線の開業時期が離れる可能性は残っている。

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