相鉄「都心直結線」はどこへ乗り入れるのか

都心「進出」への長い道のり<後編>

いずれにせよ、遅くとも4年後には開業するため、実際にどんな列車が走るのか、とくに直通列車の運行区間がどうなるのか、そろそろ気になる時期に入っている。ただ、新線開業時のダイヤは開業時期の数カ月前に発表されるのが一般的で、関係各社はダイヤの概略すら発表していない。とはいえ、運行区間にあわせてルートが決められているし、想定される運行本数に応じた構造で設計・建設されているから、ある程度の推測はできる。

相鉄・JR直通線に接続する羽沢貨物線は、鶴見駅で横須賀線電車や湘南新宿ラインなどが走行している品川~新川崎~鶴見間の品鶴線に接続。さらに品鶴線の品川~西大井間から分岐して大崎方面に向かう線路があり、大崎駅では埼京線電車や湘南新宿ラインが走る山手貨物線に接続している。つまり、横須賀線・埼京線・湘南新宿ラインのJR3系統と相鉄線が相互に乗り入れる可能性があることになる。

相鉄とJRの車両寸法は共通だが…

相鉄線とJR3系統の車両は幅などの寸法が共通で、相鉄・JR直通線の施設も両社の車両が収まるよう設計されている。ただ、鉄道・運輸機構の事業概要によれば、相鉄・JR直通線の運行区間は「海老名・湘南台~西谷~羽沢~新宿方面」とされており、関係機関が公表している所要時間の短縮例でも、二俣川~新宿間(現行59分→開業後44分)、海老名~渋谷間(57分→54分)、大和~渋谷間(58分→47分)、湘南台~渋谷間(60分→51分)の4区間のみ挙げられていることから、相鉄線~横須賀線の直通列車は運行されないと思われる。

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りんかい線に乗り入れている埼京線の電車。相鉄・JR直通線の開業時には、埼京線~りんかい線直通列車の一部を相鉄線直通に変更するものと見られる(撮影:草町義和)

となると、直通列車は相鉄線~埼京線か相鉄線~湘南新宿ラインの2系統に絞られるが、相鉄線や相鉄・JR直通線は10両編成に対応しているのに対し、湘南新宿ラインは10両または15両編成で運行されており、湘南新宿ラインの15両編成列車は乗り入れることができない。しかも、湘南新宿ラインは現在の相鉄線に存在しないグリーン車が連結されており、相互直通運転を行うなら相鉄もグリーン車付きの編成を新たに導入するか、逆に湘南新宿ラインの車両がグリーン車の連結を取りやめる必要がある。いずれも現実的とは言い難いから、全ての列車が10両以内の編成で収まっていてグリーン車も存在しない相鉄線~埼京線の直通が中心になるだろう。

相鉄・JR直通線の運行本数は、朝ラッシュ時が1時間に4本程度、それ以外の時間帯では1時間に2~3本程度とされている。現在の埼京線~東京臨海高速鉄道りんかい線直通列車は、日中1時間あたり3本運行されているから、埼京線~りんかい線直通列車の一部が相鉄線直通に変更されると思われる。

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