イギリスで検討「ミルクセーキ税」の憂う事情――日本も他人事ではない訳。背景にある"果糖がもたらす健康被害"の怖さ【医師が解説】

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特に注意すべきは「果糖」です。果糖は果物に含まれているだけでなく、炭酸飲料やゼリー、アイスばかりか、ケチャップやたくあんの味付けにさえ利用されています。

商品のラベルを見ると「果糖ぶどう糖液糖(果糖50%以上90%未満)」「ぶどう糖果糖液糖(果糖50%未満)」「異性化液糖」といった表記を頻繁に目にするはずです。

果糖が多いほど甘くなり、冷やすと甘味が強くなるため、清涼飲料水など多くの加工食品に使われています。

果糖はそのまま肝臓に移行し、 中性脂肪に合成され、脂肪肝リスクになると考えられています。

脂肪肝は単に肝臓に脂肪が溜まるだけではありません。進行すると脂肪肝炎が起こり、肝硬変や肝がんになることが知られています。

肝硬変や肝がんの治療は容易ではありません。つまりは、初期段階で糖質を控えるなど食事改善に取り組まなければ、取り返しのつかない事態を招くおそれがあるのです。

砂糖がメンタルにも影響?

砂糖の健康への悪影響はそれだけではありません。精神面への影響も、近年の研究で明らかになってきました。

100万人以上のデータを解析した中国からの研究では、砂糖の摂取量が増えると、うつ病リスクが2割以上増加することが報告されています。

欧米の研究では、糖質の多い食べ物や飲み物から毎日65g以上の糖分を摂取した男性は、その半分未満の摂取量の男性に比べて、何らかの精神疾患を発症する可能性が23%高かったといいます。

日本の研究でも、甘味飲料や炭酸飲料を多く飲むとうつ病リスクが高くなることが示されました。

興味深いのは、野菜や果物はそれ自体うつ病に予防的に働きますが、野菜ジュースや果物ジュースを飲むと、逆にリスクが高くなることです。

これは、脳の神経を活性化し接続を強くする脳由来神経栄養因子が砂糖の作用によって減少したり、血糖値の乱高下やインスリン抵抗性などを介し、神経の中の免疫細胞が刺激され、炎症作用を起こす影響だと考えられています。

さらに、コーヒーは砂糖入りかブラックかで、うつ病へ正反対の影響が見られました。ブラックなら良い効果がありますが、砂糖を入れるとその効果が打ち消されてしまうのです。

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