イギリスで検討「ミルクセーキ税」の憂う事情――日本も他人事ではない訳。背景にある"果糖がもたらす健康被害"の怖さ【医師が解説】
これらの税制の背景にあるのは、肥満大国のイギリスで、特に子どもの肥満が社会問題になっているからです。課税対象の拡大も、“税制の問題”というよりも、砂糖を減らすことによる“肥満対策”として導入されているわけです。
世界保健機関(WHO)の最近の推計では、イギリスの成人肥満率は約28%で、先進国の中でも高い水準にあります。そしてそれ以上に深刻なのが、子どもの肥満です。
イギリス政府の報告によれば、4〜5歳では約10%、10〜11歳では約20%が肥満とされ、長年ほぼ同水準で推移しています。参考までに、日本の成人肥満率はおよそ4%前後。国際的に低いものの、男性では緩やかな増加傾向が続いており、子どもの肥満も生活習慣の変化に伴って問題視されています。
肥満だけじゃない「砂糖」問題
砂糖の問題は単なる肥満にとどまりません。
昨今の研究では、肝臓や精神疾患との関連も指摘されています。むしろ、これらの見えにくい健康被害こそ、砂糖がもたらす本当の脅威かもしれないのです。
脂肪肝と聞くと、お酒を飲む人の病気だと思う方もいるでしょうが、今はそうとは言い切れません。日本では、飲酒とは関係なく起こる脂肪肝が増えており、疫学研究では、成人の約25〜30%が該当する可能性があると報告されています。
人口に当てはめると数千万人規模となり、実際にお酒をほとんど飲まない人でも脂肪肝になっています。
その背景には生活習慣の変化や肥満、運動不足などがあり、「脂肪肝=お酒の飲みすぎ」という従来のイメージでは説明できない状況になってきているのです。
脂肪肝は脂肪の摂りすぎだけが原因ではなく、総カロリー過多、特に糖質の過剰摂取が大きく関与します。
間食のお菓子や砂糖入り飲料をやめることが、脂肪肝改善の第一歩となります。実際、砂糖入りドリンクを常用する習慣のあった人は、そうでない人と比べて肝臓の酵素であるALTの数値が高く、脂肪肝のリスクが上がりやすい傾向があったという研究報告もあります。


















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