麻生要一×入山章栄が語る「新規事業とイノベーションがどんどん生まれる"組織の作り方"」

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麻生:体がホカホカしているから買えるわけですが、いきなり「イノベーションだ」「新規事業だ」と言っていきなり買収するとなかなかうまくいかないですね。

入山章栄
早稲田大学ビジネススクール教授三菱総合研究所で主に自動車メーカーや国内外政府機関へのコンサルティング業務に従事した後、2008年にピッツバーグ大学経営大学院よりPh.D.を取得。ニューヨーク州立大学バッファロー校ビジネススクールのアシスタントプロフェッサーを経て、2019年より現職。専門は経営戦略論、国際経営論。著書に『世界標準の経営理論』などがある。
(画像:YouTube『新規事業・人』より)

入山:それはすごく重要で、例えば私が取締役を務めるロート製薬も、あまり知られていませんが、新規事業や小さなM&Aをたくさんやっているんです。

例えばM&Aなら、数億円から10億円、20億円と、そのくらいの金額のレベルで実はたくさんチャレンジしているんですね。M&Aだけでなく、スタートアップにも投資するし、自分たちでも新規事業を手がけてきています。

このように、ロート製薬は非常に長い間チャレンジしてきた経験値があります。

そのうえで、最近、Eu Yan Sang(余仁生、ユーヤンサン)という漢方の会社を買収しました。シンガポール・香港ベースの会社で、当時売り上げが約2400億円のときにロート製薬が870億円の、同社としては巨額のM&Aを初めてやったんです。

それはかなり大きなチャレンジで、もちろん現場は大変なのですが、でもロート製薬はそれまでの新しいことをやるという経験値の積み上げがあるので、こういう変化にすごく慣れているんです。

麻生さんがおっしゃる通り、いきなり大きな会社を買っているわけではなくて、何十年も前から挑戦を積み上げているから、できるということです。

日本企業の奇妙な分断:なぜCVCと新規事業が別組織?

麻生:実際に、経営システム全体を急に全部は変革できないので、一つずつやっていくというのがかなり重要だと思います。

次に重要だと思うのが、システムや活動同士を「つなげる」という話です。今、イノベーション創出活動が全部分断されているのが問題だと思っています。

例えば、よく分断されているのが、CVC(コーポレートベンチャーキャピタル、企業によるスタートアップ投資)とオープンイノベーション(外部との協業による革新)と新規事業が別の部署になっていて、別の役員が担当していて、それぞれ連携していないんです。なぜ一緒にやらないのか。すごく奇妙です。すごく多くの会社が別々にやっているんです。

入山:CVCとM&Aも連携しないんですか? それは意味がないのではないですか。

海外ではなぜ大手企業がCVCをやるかというと、その後に投資したスタートアップをM&Aするためにやるんです。M&Aでいつか買うかもしれないスタートアップの中で、シナジー(相乗効果)があるところにまずCVC投資する。CVCはM&Aのために投資しているのです。日本ではそうなっていない会社が多いので、「つなげる」という意味では、これがすごく実践的な一歩目だと思いますね。

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