麻生要一×入山章栄が語る「新規事業とイノベーションがどんどん生まれる"組織の作り方"」

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入山:なるほど、M&Aも新規事業も本当に成功させるには、相当な知的資本と人的資本のレベルがないとできないですよね。

リクルートがIndeedを買ったときも、当時のIndeedはまだそれほど大きい会社ではなかったわけですから、それでも「これはうまくやれば大きく価値を伸ばせるはずだ」という目利きがリクルートにあったからできたわけですよね。

麻生要一
アルファドライブ代表取締役社長兼CEO。2018年に起業家に転身し、アルファドライブを創業。創業後7年で、200社を超える日本を代表する大手企業での新規事業開発を支援し、創出に携わった新規事業プロジェクト数は2万を超える。
最新刊『新規事業の経営論』は発売前に増刷が決まるなど、発売当初から大きな話題を呼んでいる。
(画像:YouTube『新規事業・人』より)

麻生:「Indeedを買ったから良かった」と簡単に言いますが、まさにあの瞬間に買収できるかという判断ですよね。

そして買って伸ばす手法があるのですが、それは、大量のリクルートの中でやってきた新規事業のトランスフォーメーションの知見と知的資本と人的資本によって、Indeedを買ったときに「こうしたらいい」という道筋ができたわけです。

急に買って伸びるものではないですから、その最後のドミノを倒すところまでのドミノを、ずっと置き続けていったことにより最後に倒れた。チャレンジを積み重ねてきたということです。

『新規事業の経営論』の経営システムも、最後は巨大なM&Aでやるという絵になっています。何兆円の会社がさらに何兆円を増やすと言ったら、M&Aしかないんですね。

結論はそうなのですが、M&Aをやるといったときに、それを誰がやって、買った後、どうPMI(Post Merger Integration、買収後の統合プロセス)して伸ばすのですか、ということが、準備なしに買えばいいというものではないんです。できるわけがありません。

まず、買うべき会社を見極めなければいけないし、買った後、統合して伸ばさなければいけない。

東洋医学と西洋医学:体質づくりの重要性

入山:私は東洋医学と西洋医学という比喩をよく使うんです。私がイノベーションや知の探索、両利きの経営などと言うので、一部の人が勘違いして、「入山先生が新規事業とかイノベーションが大事と言っているから、当社もいきなり500億円の投資をするべきですか」みたいな話になるわけです。

でも、それはダメなんです。それは、冷え切った体にいきなり大手術するような感じではないですか。西洋医学的なんです。

そうではなくて、東洋医学が大事なんです。つまり普段から体に気を遣って、体をホカホカさせておく必要がある。

そのために大事なのは、組織に変化の習慣化を植え込むことです。つまり、麻生さんがおっしゃるように、イノベーションに慣れた企業文化や体質、組織を作ることですね。結局、会社は人間ができてやってきているわけですが、人間の行動のほとんどは習慣なんです。

ですから、常に変化に慣れて、普段から新しいことにどんどんチャレンジする。新しいことでは失敗が多いので、それも含めてどんどん挑戦できるという体質になっているかどうかが大事なんです。その意味で「東洋医学的であるべき」ということですね。

そして、まさにリクルートは、それをずっとやっているから。その新規事業のリング(社内コンテスト)など、すべての文化があるから、そうすると最後、Indeedの買収と成功につながるんです。

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