麻生要一×入山章栄が語る「日本で新規事業が大きくならない"経営の罠"」

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入山章栄
早稲田大学ビジネススクール教授三菱総合研究所で主に自動車メーカーや国内外政府機関へのコンサルティング業務に従事した後、2008年にピッツバーグ大学経営大学院よりPh.D.を取得。ニューヨーク州立大学バッファロー校ビジネススクールのアシスタントプロフェッサーを経て、2019年より現職。専門は経営戦略論、国際経営論。著書に『世界標準の経営理論』などがある。

(画像:YouTube『新規事業・人』より)

入山:そもそも、社長の任期は1年なんです。毎年、株主総会で選ばれているわけですから。もともと1年任期なんですから。結果が出なかったら株主総会でクビ、結果が出たら10年でも20年でも30年でもやればいいわけです。

ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は約40年トップを務められています。私が社外取締役を務めるロート製薬も、会長の山田邦雄氏が約20年以上トップを務めています。だから、中長期的視野で新規事業をどんどん育てていけるわけです。

一方、サラリーマン社長の任期が4年や6年と決まっていると長期的な投資ができないし、健全なリスクも取れない。とりあえず目先の株価を上げるため、にアクティビストファンドに言われたらすぐに自己株買いなどをやってしまう。もちろん自己株買いが常に悪いわけではないですが。

麻生:急に何の根拠もなく「新規事業で100億円作れ」みたいな話が経営から降りてくるのも根っこは同じですね。

入山:そういう無茶な話が本当に多いんです。経営陣の、長期の経営に対する責任感が極めて重要なんです。日本では、だんだん「新規事業をやらなければ」という機運が出てきていますが、しっかり育てられるかどうかは、やはり経営課題の部分が大きいんです。

コーポレートガバナンスの本質的な役割

入山:では、なぜ経営の長期政権が作れないかというと、「それをやったら独裁者が生まれるのではないか」という懸念が出てくるためです。でも私から言わせると、そのためにあるのが、コーポレートガバナンス(企業統治)なのです。

コーポレートガバナンスの最大の役割は、社外取締役を中心に、長期的に価値を出せそうにない、イノベーションを生み出せそうにないと判断される社長をクビにする仕事だと私は理解しています。繰り返しですが、社外取締役の最大の仕事は、社長の選解任です。これは間違いありません。

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