入山:昔はコストセンター(費用部門)と呼ばれていましたからね。
「非連続的な企業価値の向上」を実現するために
麻生:そうなんです。新規事業を生み出したあとに「適切な形」で経営者が活用することさえできれば、企業全体の価値を非連続的に高める存在に昇華させることができます。
『新規事業の経営論』では、企業価値1000億円の既存事業をがんばって伸ばしても1100億円程度までしか企業価値の向上が見えない企業グループにおいて、2000億円や3000億円といった非連続的な企業価値の向上を実現するための仕掛けに昇華させる方法を書きました。
しかし、新規事業単体のパフォーマンスについては、グロース市場に上場した「日本最高レベルの起業家たち」の平均の結果を見ても「10年で30億円」というのも厳然たる事実です。
だからこそ、生み出した新規事業は、それ単体を大きくすることが目的ではなく、企業全体を変革するための「キラーカード」として取り扱うこと。つまり、生み出した新規事業という「要素」を、後続の経営行為に「接続していく」ことが重要です。
そうすることでインパクトレベルを引き上げ、「意味を持つもの」にしていける行為こそが、いま日本の大企業にとって求められている「新規事業の正しいトリセツ」なのです。
→麻生要一×入山章栄が語る「新規事業とイノベーションがどんどん生まれる"組織の作り方"」
