仮にアメリカと貿易できなくなったらどうするか。すでに関係を強化している別の国に乗り換えればいいだけというところまで中国はきています。
中国のほうが切れるカードが多い
たとえば中国はアメリカから大豆を輸入していましたが、トランプ関税への対抗策としてアメリカ産大豆に高い関税をかけました。
当然、アメリカからの大豆輸入量は激減、でも中国は大して困りません。
アメリカの代わりに、BRICSの一角であるブラジルなどから買えばいいと見越していたからです。そんな対抗策をアメリカから批判されたらどうするか。
「では貴国へのレアアースの輸出を制限します」とやり返すこともできる。
というわけで、要は、中国のほうが手持ちのカードが多いのです。だからトランプ大統領も、追加関税の発動を1年延長し、協議を続ける判断を下さざるをえなかった。
そんな事態になっているというのに、最近の日本はなぜか中国に対して過剰に強気です。中国の実状については、本書でもかなりのスペースを割きましたが、中国のことをもう少しよく理解する必要があるのではないかと強く思います。
――とはいえ、中国は台湾に触手を伸ばしているなど、日本としては容認できないところも多くて、すぐには仲良くできないと思うのですが。
なにも中国に迎合せよと言っているわけではありません。要は、国同士の関係は、イエスかノーか、二者択一の世界ではないということです。
たとえば台湾の話が出ましたが、アメリカなどは、表向きは中国の「1つの中国」政策に従い、台湾を国として承認していません。一方で、台湾に武器を提供して自衛力を高める手助けはしています。
「台湾は中国の一部」というのが、中国にとって絶対に超えてほしくないレッドラインだとわかっているから、そこは曖昧戦略を取っているのです。ヨーロッパの国々も同じです。


















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