「海外では当たり前」「中身が違うんだから問題なくない?」 大阪家系ラーメン店の《外国人への二重価格》に肯定意見多数も、やはり悪手だったワケ

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マーケティング戦略において、価格戦略は簡単そうに見えて深遠な世界だ。同じ商品でも、消費者は喜んで高い料金を払ってくれることもあれば、値下げしても買ってくれないことがある。

我道家
「中国人を出禁にしようと思います」という投稿も波紋を呼んだ(写真:Xアカウント「【公式】王道家直系 我道家 OSAKA本店(家系ラーメン)」より)

では、どのような対応が好ましかったのか

今回のラーメン店の場合は、どうすればよかったのだろうか?

同店は1月7日に公式YouTubeで、「ラーメンをカスタムするのは日本語が不自由だと難易度が高いため、外国人の方でも美味しく食べられるような一杯を用意している」「その外国人向けのメニューには手がかかっている」「少なくとも、この価格設定は今後も続ける予定」という旨を説明した。

ただ、今回のような「二重価格では?」という批判を呼ばないためには、日本語のメニューとは異なる“特別な商品”であることを示すネーミングにすべきであったと思う。

もちろん、商品の中身も、一見してわかるような価格に見合った豪華なものにするのが好ましいことは言うまでもない。それが難しいのであれば、価格差は外国人旅行者が不満を抱かない程度にとどめるべきだろう。

さらに言えば、日本語でも外国語と同じ「特別メニュー」を提供すればよい。日本人がそのメニューを注文するかどうかはさておき、「日本語のメニューにも同じ商品がある」という証拠にはなるので、「二重価格」という批判は回避できるだろう。

我道家
「我道家」が提供する自慢の一杯(写真:Xアカウント「【公式】王道家直系 我道家 OSAKA本店(家系ラーメン)」より)

最後に身も蓋もないことを書くと、根本的な解決策は、日本人がラーメン1杯2000円を払っても「高くない」と感じられる程度に所得が上がり、日本人も外国人も同じ価格設定をしても十分に店舗の利益が上げられるようになることだ。

高市政権では、物価高対策が重視されているが、日本の物価は諸外国と比べて相対的に安くなっている。世界的に見ると、物価高よりも、所得の上昇の方が日本の喫緊の課題だ。

最後に大きな話になってしまったが、今回のラーメン店と外国人客とのトラブルは現在の日本が抱える問題の表れと言えるだろう。

西山 守 マーケティングコンサルタント、桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授

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にしやま まもる / Mamoru Nishiyama

1971年、鳥取県生まれ。大手広告会社に19年勤務。その後、マーケティングコンサルタントとして独立。2021年4月より桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授に就任。「東洋経済オンラインアワード2023」ニューウェーブ賞、東洋経済オンラインアワード2025」MVP賞受賞。テレビ出演、メディア取材多数。 日本広告学会評議員、クリエイティブ委員会副委員長。 著書に単著『話題を生み出す「しくみ」のつくり方』(宣伝会議)、共著『炎上に負けないクチコミ活用マーケティング』(彩流社)などがある。

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