「10代は良い思い出がない」大河俳優・南沙良が明かす葛藤の日々。孤独の置き場所が分からず苦しかった…とある一節を胸に挑む"不格好な青春"
その一文は、大人になった今も、彼女の中に静かに残り続けている。
「今はあの頃よりずっと自由だし、好きな仕事ができていて幸せです。でも、それでも悩む日はあるし、迷うこともある。そんな時、ふとこの言葉を思い出すんです。“ああ、大丈夫。ちゃんと抜けられる”って」
「危なっかしくて、愛おしい」―居場所を探す3人の物語
当時21歳の大学生が書き上げ、松本清張賞を受賞した意欲作を映画化した『万事快調〈オール・グリーンズ〉』。閉塞した日常のなかで居場所を見失った少女たちが、思いがけない“禁断の出来事”をきっかけに、それでも前へ進もうともがく姿を描く。
南沙良と出口夏希のW主演作だ。
南沙良が演じるのは、ラッパーを夢見ながらも、学校にも家庭にも逃げ場を見いだせない朴秀美。たばこをふかし、人を寄せつけず、鬱屈した感情だけを内側に溜め込んでいく――。
南にとっても、新たな挑戦となる役どころだった。
「3人それぞれが“居場所を探している物語”です。原作の皮肉や悪口のキレも心地よくて、テンポもすごくいい。何ひとつ快調じゃない日常の中で、乾いた感情が不安や閉塞感を増幅させていくんです。それでも、それを踏み潰すように前へ進もうとする彼女たちは、危なっかしくて……どうしようもなく愛おしい存在でした」
今回の撮影で南は、これまで以上に“役を言語化する作業”に向き合った。感情の流れを書き出し、「なぜ彼女はこう動くのか」を自分の言葉で問い続ける。その積み重ねの中で、朴秀美という人物の輪郭が、静かに立ち上がっていった。



















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