「ベネズエラ地下鉄」80年代は日本より進んでいた 治安がよく物価も安かった首都カラカスの旅

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この国はコロンブスの第3次航海で発見され、現在のマラカイボ周辺の湾に多くの水上生活者がいたため小さなベニス(イタリアのヴェネチア)という意味で「ベネズエラ」と名付けられたという。1990年代頃からは日本からの旅行者も増え、世界一の落差になるエンジェルフォールが人気になった。

ところが、1999年に「反米」を掲げたチャベス政権となり、欧米との関係が悪化、経済が混乱した。チャベス大統領の死後もマドゥロ政権がチャベス路線を引き継いだため、経済は悪化の一途をたどったのである。

2021年にはデノミネーションが行われ、通貨が100万分の1に切り下げられた。100万円が、ある日突然1円になる計算なので尋常な話ではない。

国土は日本の倍以上あるものの、多くがジャングルで耕地が少なく、食料を輸入に頼っているので、国が破綻したに等しい。治安は悪化し、世界でも有数の犯罪国となってしまう。すでに国民の10%は海外へ移住している。

ベネズエラというと、世界でも屈指の原油埋蔵量を誇るなど、資源に恵まれた国である。政権さえしっかりしていれば、ブルネイやアラブ首長国連邦のようなお金持ち国家になっていてもおかしくなかった。

航空路も孤立状態に

筆者はマイアミからリオデジャネイロの往復航空券をアルゼンチン航空で購入、その割引航空券では帰路に1回のストップオーバー(鉄道でいう途中下車)ができたので、その1回をカラカスにした。距離をオーバーせずに立ち寄れるのはベネズエラのカラカスとコロンビアのサンタフェデボゴタの2都市だったと記憶しているが、コロンビアは麻薬組織メデジンカルテルが暗躍する国で治安が悪いと聞いていたのでベネズエラにしたのである。

ところが、現在はベネズエラからコロンビアへ大量の難民が押し寄せ、その数は100万人を超えているという。ベネズエラ難民の影響でコロンビアの治安が悪化しているというのだから驚いてしまう。おそらく、経済の悪化から、麻薬密売が盛んになったのであろう。

かつての南米優等国家は、南米の問題児になってしまった。さらに中国、ロシア、イランなど、反米的な政権と経済協力関係を築いていて、周囲の南米諸国や西側諸国との関係は悪化している。これらの国とは、人種や文化も異なり、単に「反米」という共通点だけでつながっている。

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