牛のイラストが描かれた飴は、表面がツルツルしているタイプのキャンディで、ちょっと色が悪い。が、口に入れると、甘味とミルク感がしっかりと感じられる。うん、いけるな、これ……。もしも目を閉じた状態でこれを口に入れたら、日本人は日本の飴だと勘違いすると思う。
最後の締め
北朝鮮のお菓子と飲み物は、正直に言ってすごく美味しいというほどではなかった。むしろ拍子抜けするくらい普通で、どこか懐かしく、素朴だった。
今回、丹東で北朝鮮の食べ物を口にしてみて強く感じたのは、遠い国だと思っていた北朝鮮が、味や匂いといった五感を通すことで、ほんの少しだけ“近い存在”になったということだ。
ニュースや政治の文脈ではなく「甘い」「シケってる」「意外と美味しい」といった、ごく個人的でどうでもいい感想の積み重ねが、国と国のあいだにある距離を静かに縮めてくれる瞬間がある。
もちろん、だからといって何かが解決するわけではないし、世界が変わるわけでもない。
それでも自分の目と舌で確かめ、自分の体で経験することには、確かな意味がある。
少なくとも私にとって北朝鮮は、「ニュースで見る謎の多い異国」ではなく、「あの甘ったるいジュースとカリカリナッツのある国」になった。
それだけで、この旅には十分すぎる価値があったと思っている。
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