【1.6L NA市販エンジンでリッターあたり100馬力超、大衆車ベース高性能ハッチバック】VTECスポーツの金字塔、ホンダ「EG/EKシビック」の功績

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ちなみに、22年に登場した現行のシビック タイプR(FL5型)は、エンジンに専用の2.0L・VTECターボ(K20C型)を搭載。最高出力330PSものパワーを発揮するなど、高い動力性能に磨きをかけている。

シビック タイプRに搭載される2.0L・VTECターボエンジン
シビック タイプRに搭載される2.0L・VTECターボエンジン(写真:本田技研工業)

なお、23年4月下旬には、シビック タイプRをドイツ・ニュルブルクリンク北コースで走らせ、FF車(前輪駆動車)最速ラップタイムを記録した。トライしたのは、路面の凹凸や高低差があり、コーナーの数が多い全長20km超の難コース。過去にはルノー「メガーヌR.S.」やフォルクスワーゲン「ゴルフGTI」などが、FF最速の記録を保持していたが、シビック タイプRは、7分44秒881を達成し、見事に新記録を塗り替えた。

また、24年からは、国内最高峰レース「スーパーGT」のGT500クラスに「シビック タイプR-GT」で参戦。24年シーズンは、第4戦の富士スピードウェイで「ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT」が初勝利。25年シーズンでは、終盤の第7戦オートポリスで「STANLEY CIVIC TYPE R-GT」が優勝するなどで、徐々に戦闘力を上げている。

ホンダのレーシングスピリッツを象徴するシビック

シビック タイプRのリアビュー
シビック タイプRのリアビュー(写真:本田技研工業)

このように、現在もホンダの技術力を磨き、それを証明するために用いられるのがシビック タイプRだ。そして、これも先に述べたとおり、90年代のEG型やEK型は、その源流であることは間違いない。

クルマの電動化を推し進め、40年に4輪車のグローバルにおける販売比率をEVやFCEVなど100%電動車とする目標を掲げるホンダ。おのずと、今後の新型車はBEVやHEVなどが主流となってくるかもしれない。

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だが、やはり、個人的には内燃機関の高性能マシンはできる限り存続してほしい。あの独特の高揚感はもちろん、シビック タイプRなど、歴代の名車たちが長年培った文化なども、ぜひ後世に残すべきだ。今後もシビック タイプRが生き残り、進化を続けることを期待したい。

 

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平塚 直樹 ライター&エディター

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ひらつか なおき / Naoki Hiratsuka

1965年、福岡県生まれ。福岡大学法学部卒業。自動車系出版社3社を渡り歩き、バイク、自動車、バス釣りなどの専門雑誌やウェブメディアの編集者を経てフリーランスに。生粋の文系ながら、近年は自動運転や自動車部品、ITなど、テクノロジー分野の取材・執筆にも挑戦。ほかにも、キャンピングカーや福祉車両など、4輪・2輪の幅広い分野の記事を手掛ける。知らない事も「聞けば分かる」の精神で、一般人目線の「分かりやすい文章」を信条に日々奮闘中。バイクと猫好き。

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