関連ブランドの売上は「150億円以上」ジャンボ尾崎さん(享年78)が遺したビジネスでの功績――企業を動かし、産業を育てた稀有なアスリート

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そして、10年には世界ゴルフ殿堂入りを果たした。

尾崎さんが日本ゴルフ界に与えた影響の大きさは、その功績だけではない。その1つが若手の育成だ。18年にジャンボ尾崎ゴルフアカデミーを創設。千葉市内にある自宅兼練習場で、ジュニアゴルファーの育成に尽力した。

今年海外メジャーを制した西郷真央や、来年からアメリカLPGAに参戦する原英莉花、25年の国内女子ツアー年間女王の佐久間朱莉などは、ジャンボ門下生だ。

門下生の1人、佐久間朱莉。2025年に初優勝を飾り、国内女子ツアーの賞金女王にも輝いた (写真:Atsushi Tomura/Getty Images)

男子ゴルフの経済拡大に貢献

そしてまた、彼の存在は単なる名プレーヤーではなく、日本男子ツアーの経済規模そのものを押し上げていったことにも言及したい。

尾崎さんがツアーに参戦して以来、試合数や賞金総額は右肩上がりとなっていく。具体的に見ていくと、こんな感じだ。

1973年の試合数は31、賞金総額は4億7100万円だったが、80年は38試合、同10億3970万円、85年は40試合、同17億5300万円、90年は44試合、同32億9000万円、95年は37試合、同40億2000万円。

尾崎さんが最後に賞金王になった98年の試合数は36で、賞金総額40億7000万円だった(参考までに、26年の試合数は22、賞金総額は約30億5800万円を予定)。

今でこそアメリカPGAツアーの賞金額と大きな差がついているが、尾崎さんが94年に賞金王になったときの獲得賞金2億1546万円は、同年のPGAツアー賞金王ニック・プライスの149万9927ドル(約1億5300万円※当時の為替レート102円で計算)より高かった。

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