日中便「減便」→移動20時間で中国へ…"関係悪化"のさなかの中国で見た「日本人への空気感」と「北朝鮮との国境都市」の実像

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私は大慌てで、渡航プランの見直しを行った。最終的に中国・青島乗り継ぎの往復航空券(山東航空)を諸税込みで3万3000円で購入したが……。乗り継ぎ時間を含めると往路は16時間半、復路は20時間。地獄のような移動時間となった。

出発前の関西国際空港の様子(筆者撮影)
山東航空
人生初の山東航空。モニターはないが、軽食はありだった(筆者撮影)

今日本では中国人の渡航自粛、いわゆる「外国人のインバウンド」が注目されている。しかし中国への旅行や出張など、「日本人のアウトバウンド」も大なり小なり影響を受けているようだ(ちなみに航空券の検索や、ホテル、高速鉄道の変更手続きなどのため、おおよそ半日ほどの時間を私は失った)。

関西国際空港に到着したのは20時前。遅めの時間だったこともあり、空港内には昼間の1/10くらいしか人がいなかった。けれど22時20分発の関空~青島便はほぼ満席。乗客のほとんどは中国人で、青島空港に到着後に外国人向けの入国カードを書いていたのは、私を含めて3~4名だけだった。

中国で感じた「日本人」に対する意外な空気感

中国の入国審査はいつも淡々としている。日中関係が悪化している現在でも、このスタンスは変わらない。審査官に特に何も質問されることのないまま、私は中国に入国した。

空港内にあるローソンで骨付きチキン(約280円)とオニギリ(約140円)を買ったときも、店員さんは“普通”だった。中国では現金文化が消滅しており、アリペイ(QRコード決済)などが支払いの主流となっているが、過去に2~3回しかアリペイを使ったことがない私がレジ前でオロオロしていると、店員さんは嫌な顔せずに決済方法を教えてくれた。

宿泊するホテルとのやり取りもそうだ。予約したホテルでは無料の空港送迎サービスを提供しており、空港到着後に電話で送迎を呼ぶシステムだった。センター試験で半分も取れなかった壊滅的な英語力で電話すると、快く迎えに来てくれた。ホテルの受付で日本のパスポートを提示した際も、女性スタッフ2名は笑顔で応対してくれた。

宿泊したホテル(筆者撮影)
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