ユーチューバーが心配のタネ? 北朝鮮への観光再開に動くか、日本担当者が中国に赴任、予想される観光客の身元調査の厳格化

本格再開されない北朝鮮旅行に、かすかな変化の兆しが見え始めた。2025年3月、朝鮮国際旅行社(KITC)瀋陽支社に日本担当の新代表が着任。長らく不在だった日本担当の復活は、観光再開への期待感をわずかに高めた。
KITCは、観光目的で北朝鮮を訪れるすべての日本人を担当する北朝鮮側のカウンターパート的な旅行会社で、日本人以外の多くの外国人も担当する北朝鮮を代表する国際旅行社だ。日本人観光客は、どの旅行業者を通しても、北朝鮮滞在中はKITCが担当するという仕組みになっている。
担当者は来たが事務所がない
しかし、観光再開への道筋はまったく見えていない。KITC瀋陽の新代表は着任したが、事務所がないからだ。
KITCは、高麗航空の営業所とともに、旧・七宝山ホテル(瀋陽市和平区)に事務所を構えていた。2000年開業の七宝山ホテルは、世界最大規模の北朝鮮系ホテルとして知られていた。
中朝ジョイントベンチャーで4つ星ホテルだったが、国連制裁の実施で2018年1月上旬に閉鎖され、同年5月末に中国資本の中富国際ホテルとしてリニューアルオープンしていた。
中国資本のホテルになった後も、KITCと高麗航空は引き続きテナントとして入居し続けていたが、その中富国際ホテルも閉鎖された。現在は、遼寧中医薬大学第3付属病院という病院へと驚きの変貌を遂げた。
さすがに病院では入居継続が難しくなったのか、KITCと高麗航空は退去。高麗航空は、瀋陽市内の別の場所へ移転したが、KITCは事務所がない状態が続いているという。それは、観光業が再開されておらず、業務がないからだ。
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