ユーチューバーが心配のタネ? 北朝鮮への観光再開に動くか、日本担当者が中国に赴任、予想される観光客の身元調査の厳格化

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マラソンツアー参加者は、パスポートの査証ページに北朝鮮のビジネスビザと同じデザインのページサイズのビザを貼って、北朝鮮の入出国印をパスポートに残している。

これまでの観光目的の渡航では、ビザはなく、代わりとなる入国許可証の紙に入国印を押しパスポートへ挟み、出国時に用紙ごと回収する旧ソ連式と呼ばれるオペレーションが実施されていた。

もし日本人参加者がいれば、日本人では取得が難しい北朝鮮ビザとともに、目にすることが希少な入出国印がパスポートに残っていることになる。

北朝鮮の心配はユーチューバー?

2025年3月に着任したKITC瀋陽代表と会談した中国の旅行業者によると、観光再開は「6月」とか「夏頃には再開されるといいな」という、実に希望的なふんわりとした話が聞こえてくる。

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2025年4月、北朝鮮の平壌で実施された国際マラソンの要綱(写真・筆者)

2025年5月にもオープンすると報じられて、日本からも注目を集める日本海側の元山葛麻(ウォンサンカルマ)ビーチリゾートやホテルなどを建設し、観光地化を進める北朝鮮北部・白頭山を望む三池淵(サムジヨン)エリアへの集客をしたいので、ぜひツアーを組んでほしいと提案されたという。

北朝鮮へのツアーを組みたくても観光が再開していないので、募集しようもない。しかも元山や三池淵の観光地としての見どころ、魅力など確認しても、あまり情報は持っていない印象だったと明かしてくれた。

仮に北朝鮮観光が再開となれば、1つ大きな壁となりそうなのが「ユーチューバー」の扱いになるという。

2025年3月6日から入出国を停止している北朝鮮北東部の国境の街・羅先(ラソン)特別市や今回の平壌マラソンでも問題になっていたそうだが、ユーチューバーを観光目的でどう扱うかに苦慮しているようだ。

観光目的ではなく、私的な収益を得るためのビジネス目的として、ビザを取得させて、観光ツアーとは別枠、別料金でのツアーとするなどが考えられる。

つまり、ユーチューバーはより監視が厳しいメディア関係者と同じ扱いにしようとしているのではないだろうか。

さらに、手配する旅行業者に対しては、日本人を含む全入国希望者への身元調査の強化、ユーチューバー活動の有無などの事前チェック、現地ガイドの指示に従う旨、違反した際の罰金などを明記した同意書を交わすように求めてくる可能性もある。

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