ユーチューバーが心配のタネ? 北朝鮮への観光再開に動くか、日本担当者が中国に赴任、予想される観光客の身元調査の厳格化
そのような中、「4月24日から北朝鮮観光全面再開」という通知文画像が中国SNS上に出回っている。類似の通知文は2024年秋にも確認されたが、KITCを管轄する朝鮮国家観光総局の名で出された真偽不明な文章だ。
しかしKITC瀋陽代表は、これをあっさりと否定。中国でも日本のSNSのように「リプ稼ぎ」目的と思われるフェイク情報が多くなっていると中国在住者らは語る。
画像は、監視が厳しい中国のSNS上で現時点でも確認できているので、中国政府は徹底して整理する削除対象にはしていないのだろう。
4月平壌マラソンはなぜ実施できたか
4月4日付のこの通知文には、4月9日から観光再開される予定だったが、同月6日に行われる平壌国際マラソンの影響で再開が遅れ、4月24日からとなると書かれている。

北朝鮮の朝鮮国家観光総局が出したとされ、中国のSNS上で飛び交っている観光再開の通知文(写真・筆者)
2025年、6年ぶりに開催された平壌マラソンは日本でもその様子が報道されたが、「中国から3人の招待選手がエントリーした」と中国国営テレビ(CCTV)のウェイボー公式アカウントが発信しているくらいで、官製メディアでは大きく報じていない。
今回の平壌マラソンは、主催する北朝鮮体育省が招聘状(インビテーション)を発行、マラソン大会へ参加するためだけの特別ビザを発給して北朝鮮へ渡航したという。
同じ手段で中国の旅行業者もツアー手配できそうなのだが、奇妙なことに手配した中国の旅行業者は0社。取材したところ、日本にある旅行業者も0社だった。
KITC瀋陽へ連絡したある瀋陽の旅行業者は、「あくまでマラソン参加のための特別ツアーであり、観光ツアーではない。だからわれわれは関与していない」と説明を受けたという。
中国政府の顔色をうかがったのか、観光が再開できない中での苦肉の策だったのかもしれない。
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