小杉さんにとって2度目のミスコンは、誰よりも覚悟を決めて挑んだ舞台だった。その気持ちの強さは、普段の何気ないSNSの発信にも見てとれた。
「『活動中の投稿も、ずっとネットに残るかもしれない』と考えていたので、ミスコン活動後に後悔するような投稿をしないことは意識していました。なので、インスタやTwitter(現:X)でに載せるちょっとしたひと言にも、時間をかけて考えて投稿していました」
傍から見れば「なんでそこまで?」と思われたかもしれない。しかし、小杉さんにはミスコンで被るリスクを最小限に抑えながら、確実にグランプリを獲るという明確な目的があった。ゆえに、ここまでこだわる必要があったし、ここまでこだわらなければグランプリは獲れないと考えていたのだ。
そんな小杉さんの姿勢には、まさに「プロ」という言葉がぴったりだろう。
「ミスコン」「ゼミ」「外コン就活」が重なり…
加えて、小杉さんは同時期に所属していた学部のゼミ活動にも参加しており、そのゼミとミスコンの両立にも苦戦した。
「ゼミの教授が外資系コンサルティングファーム出身の方だったので、ゼミでは実際にクライアントワークを経験しながら、社会に出てから活躍するためのノウハウをたくさん学ばせていただきました。ただ、このゼミが本っ当に忙しくて……」
基本的には週次の定例報告会までに毎回資料を作成しなければならないが、資料が不出来だと詰められることも当たり前。深夜3時にフィードバックがきて、朝6時に修正し、9時からの会議に持っていくということもあった。また、時にはクライアントの店舗で丸一日、店頭に立つなど、頭と身体をフルに使ってクライアントワークを行っていたという。
さらに、レベルが高いゼミかつ教授が外コン出身のため、ゼミ生の多くは外コンや投資銀行(外資含む)に就職する。そんな環境にいた小杉さんも、自然と外コンを中心とした就活を行っていた。
つまり、当時の小杉さんは「ミスコン」「ゼミ」「外コン就活」を同時に進めなければならず、ミスコンに100%時間を割ける環境にはいなかったのだ。
だが、それでも小杉さんの決意は揺るがなかった。
「ゼミも外コン就活も、もちろんミスコンも、全部自分で決めて始めたことです。なので、その責任は自分で取るべきだと思っていましたし、ゼミや就活を言い訳にしてミスコンを諦めたくはありませんでした」


















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