横浜なのに「巨大団地群」華やかな港町の裏にある街のリアル 高齢化率約30%、都心まで60分…持続可能な郊外住宅地を目指す「洋光台」の今
こうした状況を受け、10年頃から神奈川県、横浜市、URがそれぞれ郊外住宅地の持続可能性を高めるプロジェクトを立ち上げた。その中核となったのが、URが11年に開始した「ルネッサンス in 洋光台」プロジェクトである。
このプロジェクトは、以前、別の記事で紹介した東京都のひばりが丘団地でのルネッサンス計画(『すかいらーく発祥「ひばりが丘団地」64年経った今』)とは異なり、住棟・部屋単位のリノベーションだけではなく、団地およびまち全体を一体的に捉えるものである。
プロジェクトの推進体制としては、2つの会議体が設けられた。地域住民と行政、URが議論するエリア会議と、建築家の隈研吾氏を座長に佐藤可士和氏ら専門家が参加するアドバイザー会議である。この2つの会議を核として議論を重ね、15年には洋光台にとどまらない「団地の未来プロジェクト」へと発展していった。
持続可能な郊外住宅地のモデルを目指す
議論に基づいた取り組みは、主に洋光台中央団地と洋光台北団地で行われた。ハード面の取り組みに限ってみると、洋光台中央団地では外壁塗装を一新し、室外機置き場に木の葉をモチーフとしたデザインを採用した。広場には庇、デッキ、ベンチを設置して広場の活用を促した。
洋光台北団地ではベランダの手すりに枝をモチーフとしたデザインを採用し、階段室外壁を木目調とすることで温かみのある空間を創出した。また、集会所の改修にあたって、新たにコミュニティカフェや図書室を設置するとともに、サンクンガーデンを拡張した。現在は洋光台北団地の住棟一部建て替え事業も進行している。
分譲団地である洋光台南第一住宅では、住民主体の取り組みが展開された。横浜市やURのサポートを受けながら住民自らが団地の将来像を議論する過程で、集会所と管理事務所機能を持つ給水塔を解体し、低層の新施設へと建て替える事業が実現した。この過程でコミュニティ活動も活性化し、新たなコミュニティ拠点が形成されていった。
こうしたハード面の整備に加えて、地域活動拠点の設置や防災力強化など、ソフト面でもまちの魅力を維持・向上させる取り組みも展開されている。洋光台は団地とまちを一体的に捉える先進的な試みを通じて、持続可能な郊外住宅地のモデルを目指している。



















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