開発・投資・取締役会まで参加──新興スマホメーカーNothingが選んだ異例の成長戦略とは

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12月に東京都内で行われた、Nothingのファンイベント
12月に東京都内で行われた、Nothingのファンイベント(筆者撮影)
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大手による寡占化と、デザイン・機能の画一化が進むスマートフォン市場。その中で、独自の存在感を見せているのが、イギリスの「Nothing」だ。

同社はデザインとコストパフォーマンスにこだわった製品を多数発売しているが、それだけで熱心なファンがつくわけではない。初期から「ファンコミュニティづくり」に気を配り、コミュニティに属するファンを地盤とした製品づくりで差別化している。

さらNothingは、コミュニティからの投資を受け、取締役会にコミュニティの代表が参加する。そのような経営スタイルは、他にはなかなかない。

コミュニティと共に製品を作り、コミュニティで製品を売っていくというのは、どういうことなのだろうか?

開発・経営・投資に「コミュニティ」が参加

2025年12月12日、同社は東京都内で「コミュニティイベント」を開催し、新製品の「Phone (3a) Community Edition」を公開した。

新製品の「Phone (3a) Community Edition」
新製品の「Phone (3a) Community Edition」(筆者撮影)

この製品のベースになっているのは、すでに発売済みの「Nothing Phone (3a)」という製品。ただ、デザインや質感は大きく違う。

この製品のデザインをしたのは同社社内の人間ではない。同社が「コミュニティ」と呼ぶ社外の人々からデザイン案を公募して作ったものだ。

次ページ選ばれたデザイン案の応募者は開発に参加する
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