日本酒選びが下手な人が知らないラベルの読み方 自分の好みに合った一本がこれでわかる
反対に、あまり削らないと雑味が残ります。ただし、その雑味が米本来のうま味やコク、ふくよかさとなり、熟成が進むことによって変化や遊び味(さまざまにとがった、いびつな個性が、時間とともに共鳴し合い、融合し、熟れながら生まれていく味わいのこと)を生み出し、また違う魅力を発揮します。「精米歩合」の度合いで、日本酒はさまざまな個性を身につけることができるのです。
近年人気のある③「純米酒」は、醸造アルコールを使用していない、米と米麹だけのお酒というところが大きな魅力で、なにより、米のうま味を楽しめます。精米歩合についても「規定なし」。それこそ、まったく精米しない玄米で造ることも可能だということです。雑味を活かした個性ある濃厚な「純米酒」も、逆にたくさん磨いて、すっきりと軽快な仕上がりにした「純米酒」も造ることができます。「純米酒」は、さまざまなバリエーションがあり、そこが第一の魅力なのです。
フルーティーさを出す吟醸酵母
ただし、「精米歩合」が低い(たくさん磨いている)からといって、必ずしもフルーティーで華やかな味わいとはいい切れません。フルーティーで華やかなのは、「精米歩合」のせいではなく、そういった香りにするための「吟醸酵母」を使用しているからです。
華やかな吟醸香を醸し出す酵母として知られるのは、「きょうかい7号」「きょうかい9号」「きょうかい18号」や「1601」「1801」などの泡なし酵母です。ほかにも「山形酵母」「うつくしま夢酵母」、近年開発された「セルレニン耐性酵母」があります。「吟醸酒」とラベルに記載されていない「純米酒」「特別純米酒」「本醸造酒」「特別本醸造酒」であっても、吟醸酵母を使用していることがあります。そうすると、フルーティーで華やかな味わいになるのです。
ラベルが読めるようになると、好みの日本酒に出会える確率がぐっと高くなります。ぜひ活用してください。
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