日本酒選びが下手な人が知らないラベルの読み方 自分の好みに合った一本がこれでわかる

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ビジネスエリートが知っている 教養としての日本酒
『ビジネスエリートが知っている 教養としての日本酒』(あさ出版)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

反対に、あまり削らないと雑味が残ります。ただし、その雑味が米本来のうま味やコク、ふくよかさとなり、熟成が進むことによって変化や遊び味(さまざまにとがった、いびつな個性が、時間とともに共鳴し合い、融合し、熟れながら生まれていく味わいのこと)を生み出し、また違う魅力を発揮します。「精米歩合」の度合いで、日本酒はさまざまな個性を身につけることができるのです。

近年人気のある③「純米酒」は、醸造アルコールを使用していない、米と米麹だけのお酒というところが大きな魅力で、なにより、米のうま味を楽しめます。精米歩合についても「規定なし」。それこそ、まったく精米しない玄米で造ることも可能だということです。雑味を活かした個性ある濃厚な「純米酒」も、逆にたくさん磨いて、すっきりと軽快な仕上がりにした「純米酒」も造ることができます。「純米酒」は、さまざまなバリエーションがあり、そこが第一の魅力なのです。

フルーティーさを出す吟醸酵母

ただし、「精米歩合」が低い(たくさん磨いている)からといって、必ずしもフルーティーで華やかな味わいとはいい切れません。フルーティーで華やかなのは、「精米歩合」のせいではなく、そういった香りにするための「吟醸酵母」を使用しているからです。

華やかな吟醸香を醸し出す酵母として知られるのは、「きょうかい7号」「きょうかい9号」「きょうかい18号」や「1601」「1801」などの泡なし酵母です。ほかにも「山形酵母」「うつくしま夢酵母」、近年開発された「セルレニン耐性酵母」があります。「吟醸酒」とラベルに記載されていない「純米酒」「特別純米酒」「本醸造酒」「特別本醸造酒」であっても、吟醸酵母を使用していることがあります。そうすると、フルーティーで華やかな味わいになるのです。

ラベルが読めるようになると、好みの日本酒に出会える確率がぐっと高くなります。ぜひ活用してください。

友田 晶子 一般社団法人日本のSAKEとWINEを愛する女性の会代表理事

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ともだ あきこ / Akiko Tomoda

米どころ酒どころ福井県生まれ。延べ12万人のきき酒師やワインソムリエを輩出し、あらゆるお酒に精通、お酒でおもてなしができる人材を育成。お酒を通じて女性の教育・活用社会進出支援に力を入れる一般社団法人日本のsakeとwineを愛する女性の会(通称:SAKE女・サケジョの会)の代表理事として活動。お酒でおもてなしできる会員数は1500人にも及び、業界初のお酒による総合的な“おもてなし力”を問う検定『料飲おもてなし~SAKE女検定~』を実施している。
https://omotenashi-sakejo.com/

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