3日の仕事が5分に?トヨタの「超段取り術」

仕事が速い人はここが違う!

制約が多いスケジュールは、仕事の繁閑の差(ムラ)を生みがちです。たとえば、特定の日にやることが求められる仕事が多ければ、その日は忙しいですがほかの日は手待ちが生まれます。逆にスケジュールの自由度が高ければ、自分の裁量で仕事を均等に割り振ることができます。

仕事のムラは、繁忙期のムリ(必要以上の負荷)を生むだけでなく、閑散期のムダ(不要なことまでやる)につながります。仕事の平準化のためにも、「内段取り」は極力短いことが望ましいのです。加えて「内段取り」が短くなれば、当然ですが、短縮した時間でそれ以外の付加価値のある仕事をすることもできます。

しかし、より広範囲に考える場合には、「外段取り」の短縮も重要です。本番のタイミングではないとしても、時間を消費しているという意味では「内段取り」も「外段取り」も同じです。したがって、「外段取り」を短縮することも、広い範囲での生産性向上に寄与するのです。

「内段取り」「外段取り」の混同が生んだ問題

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しかし多くの場合、この2つは区別されていません。その結果、本来はもっと短時間でスムーズにできたことが、時間がかかるうえに質も低下しているというケースが多く生まれています。

たとえば、商談場面でお客様から質問を受けて、慌ててその場しのぎの回答をしたケース。これは、時間の自由度を活用しきれなかった事例です。もしお客様からの質問が想定できた内容であれば、商談前に準備をしておくこともできます。回答内容が不十分になるのはもちろんのこと、慌てた様子を見てお客様からの印象も悪くなってしまうかもしれません。

次に、複数人でやっているプロジェクトで、その中のひとりであるAさんの作業が遅れていて終わらないために、ほかのメンバーが次の作業に着手できず、待ち状態になっているというケース。これは、人の自由度を活用できていない事例です。

当初、Aさんの担当と決めた仕事であれば、どんな状況になってもAさんがやらなくてはいけない訳ではありません。もしAさん以外のメンバーが仕事に余裕があり、ほかの人も手伝える作業内容であれば、プロジェクト内で分担することができます。そうすればAさんの作業が早く終わり、ほかのメンバーもその後の作業に着手することができます。

最後は、ホームパーティーの準備で、狭い台所に人が集中して作業が進まないケース。これは、場所の自由度を活用できていない事例です。火を使う作業は台所でやる必要がありますが、材料を切る・お皿に盛り付けるなどの前後工程は別の場所でも可能です。

先ほどお話ししたとおり、制約が多いスケジュールリングには大きなデメリットがあります。加えて、その仕事のリードタイム単体をみた場合でも、長い時間が必要となってしまいます。

このような背景から次のステップでは、制約の多い「内段取り」を制約の少ない「外段取り」に移します。

ここでのポイントは、自分の今のやり方を極力、懐疑的に見ること。たとえ、現在の仕事の進め方に多少非効率な要素があったとしても、慣れたやり方のほうが心地よく、できれば変えたくないと思うのが多くの人の心理です。したがって、自分は固定概念で縛られているという認識をもったうえで、「自分以外の人に任せられないか」「その場所以外でできないか」「そのタイミング以外でできないか」と、1つひとつ考えてみましょう。

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