クリスマスの定番飲料「シャンメリー」 どこでも売られているのに、大手企業が販売しないワケ
もし大企業がこれらの分野に強引に参入しようとした場合、法律上どのような措置がとられるのでしょうか。
同法第6条では、大企業の事業開始や拡大によって中小企業の経営の安定に著しい悪影響が及ぶおそれがある場合、中小企業団体は主務大臣に対して「調整の申出」を行うことができると定めています。
この申出を受けた国(主務大臣)は調査を行い、必要があると認めれば、同法第7条に基づき、大企業に対して参入時期の繰り延べや規模の縮小などを「勧告」します。これは行政指導にあたります。
もし正当な理由なくこの勧告に従わない場合、国はその事実を公表することができます。
公表されてもなお従わず、中小企業の利益が著しく害されるおそれがある場合(条文上は「中小企業者の相当部分の事業の継続が著しく困難となるおそれがあると認められるとき」)には、同法第11条に基づき、勧告にかかる措置をとるよう「命令」を出すことができます。
この命令に違反した場合には、同法第16条により300万円以下の罰金が科されるという罰則も設けられています。
実際には「伝家の宝刀」として機能
非常に強力な権限を持っているように見えるこの法律ですが、実際の運用としては、抜かずに見せるだけの「伝家の宝刀」として機能しています。
これまでに、実際に「命令」や「罰則」が適用された事例は確認されていません。多くの場合、「調整の申出」や「勧告」、あるいはそれ以前の段階で大企業側が調整に応じたり、参入を断念したりすることで解決しているからです。
過去にはコカ・コーラ社が焼酎割り用飲料の販売を中止した事例などもあり、法律による強制力が発動される前の話し合いや調整によって、中小企業の事業領域が守られているのが実情です。
監修:小倉匡洋(弁護士ドットコムニュース編集部記者・弁護士)
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