長期金利(新発10年債利回り)が2.02%に上昇、2%に達したのは2006年5月以来-日銀の利上げと財政拡張を懸念
19日の債券市場では長期金利(新発10年債利回り)が2.02%と1999年以来の高水準に上昇した。日本銀行の利上げ継続と高市早苗政権の財政拡張への懸念から金利の上昇(債券相場の下落)が続いている。
長期金利は前日比5.5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高い2.02%を付けた。日銀は19日の金融政策決定会合で政策金利を30年ぶりの水準である0.75%に引き上げた。
投機的な債券売りが
東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジストは「日銀の利上げ後に為替市場で円安が進んだことを受けて投機的な債券売りが出たのだろう」と語る。円の対ドル相場は一時ニューヨーク終値比0.4%安の156円16銭まで下落した。
日銀は発表文で「現在の実質金利が極めて低い水準にある」との判断を維持。展望リポートで示した経済・物価見通しが実現していけば、経済・物価情勢の改善に応じて「政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」との姿勢も維持した。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美チーフ債券ストラテジストは「日銀が実質金利は極めて低いという判断を変えず、今後も利上げをためらう材料はないと受け止められた」と話した。また、みずほ証券の大森翔央輝チーフ・デスク・ストラテジストは「財政拡張懸念でじりじり上昇していたところに日銀の利上げが背中を押した」と指摘。一時的に2.2%まで上昇しても不思議ではないと言う。


















