人気メニューは「ヒグマvs月の輪熊 対決鍋」東京・人形町のジビエ料理店の店主が語る、"クマ肉の滋味"と"過酷な現場"

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「あまから くまから」の店内の様子(筆者撮影)

2025年は「クマ出没」に悩まされた1年だった。

人間の生活圏に降りてきたクマによる人身被害も、記録が残る2006年以降で過去最悪となり、農作物や民家の被害も拡大。秋田県では2000頭以上が有害駆除された。

日本漢字能力検定協会が発表する、令和7(2025)年の世相を1文字で表す「今年の漢字」にも「熊」が選ばれたほどだ。

それぞれの立場によって思いは違うが、この人はどう見ているのか。ジビエ(野生鳥獣肉)料理店を営み、メディアに登場する機会も多い店主に聞いた。

命を無駄にせずおいしくいただく

東京・人形町交差点近く(東京都中央区)に「あまから くまから」という店がある。来年で開業30年、店名は沖縄の言葉「あっちから、こっちから」に由来している。

約15年前からジビエを扱い始め、やがて専門店になった。今では全国からお客が訪れる人気店だ。個体処理後の食肉加工施設から仕入れたクマ肉も積極的に扱う。

「11月11日に放送された『報道ステーション』(テレビ朝日系列)では、当店の取り組みの一環として私のコメントをご紹介いただきました。私たちが日頃から大切にしている視点を発信できてありがたかったです」

店主の林育夫氏はこう話し、店のモットーを語る(以下、発言は同氏)。

「ジビエ料理店として『有害駆除という現実と向き合い、命を無駄にせずおいしくいただく』ことや『森が育んだ大切な恵みとして丁寧に調理』を心がけています」

あまから くまから
「あまから くまから」の林育夫店主(筆者撮影)
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