「もともとこの店は、こだわり料理を提供するダイニングバーでした。15年ほど前、有機野菜の仕入れ先の長野県の農家さんイノシシ肉を送ってもらったことがあります。調理してお客さんに出したところ大好評でした。12月に提供したのですが、年明けに来た常連客から『あのイノシシもうないの?』と聞かれたほどです」
イノシシは江戸時代から食べられており、獣肉食が禁じられていた江戸期には「山くじら」という看板を掲げて、お客に食べさせていたという。その看板が構図にある歌川広重の浮世絵も残っている。
「今振り返っても上質なイノシシ肉でした。やがてクマ肉も来るようになり、試食したらおいしかった。徐々にジビエのある居酒屋からジビエ料理専門店になっていきました」
冬は鍋が人気だが、夏の看板メニューはシカ肉。「夏鹿の炭火焼き」などを提供する。
若いカップルが「応援にきた」と駆除メニューを満喫
そんな店の客層が広がったのは、多くの飲食店が苦しんだコロナ禍だった。
「外出自粛や営業短縮要請で時間が空き、公式サイトを作成して発信するようにしました。すると、ウチの店を見つけて遠くから訪れてくれるお客さんが増えたのです」
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