人気メニューは「ヒグマvs月の輪熊 対決鍋」東京・人形町のジビエ料理店の店主が語る、"クマ肉の滋味"と"過酷な現場"

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日本では昔から「マタギの鍋」のような食文化があり、東北地方の狩猟民「マタギ」が捕獲したクマ肉を煮込んで食べていた。

「クマ肉の旬は冬で、冬眠前のクマの脂はおいしいです。一番人気は鍋ですが炭火焼きなども提供します。肉の味は食べたエサによって変わり、柿などの果物を食べていれば脂が甘みを増し、木の実などが多ければ肉はこってりした味になります」

「ヒグマ」「ツキノワグマ」食べ比べ鍋が人気

取り扱う食材の性質上、提供メニューもストレートな名前が多く、例えば「ヒグマvs月の輪熊 対決鍋」(税込9580円、コース料理は同1万2800円。価格は取材時)が人気だ。

冬の人気メニュー「ヒグマvs月の輪熊 対決鍋」の具材(写真:「あまから くまから」)

「それまでお客さんから『ヒグマとツキノワグマはどちらがおいしいのか?』と聞かれることが多く、そのたびに肉の特徴などを説明してきました。

ある時〈それなら一緒に提供しよう〉と思い、始めたのです。最高ランクのクマ肉は神戸牛ぐらいするので、それなりの価格になりますが、食べたお客さんには喜ばれます」

この時期は「穴熊のすき焼き」(同7800円)も人気だ。

「冬眠に入るとクマ肉が手に入らないので限定提供ですが、脂が甘くてさっぱりしています。以前テレビで“地球上で一番おいしい肉”と紹介されましたが、穴熊は当たり外れも多い。当店では秋の味覚『柿穴熊』を仕入れています。木登りが苦手な穴熊は落ちてくる柿が大好物。これをエサにして脂をたくわえた肉はクセが少なくておいしいのです」

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