AppleとGoogleによる手数料はどう変化? 「スマホ新法」の全面施行で何が起きているのか
ユーザーにはメリットとデメリットが?
さて、私たちユーザーにはどんなメリット、デメリットがあるのだろうか。まずメリットとしては、アプリやサービスの選択肢が増え、場合によっては価格や還元などで恩恵が出る可能性がある。ブラウザや検索、決済の選択も“自分で決められる”余地が広がる。
しかし一方で、デメリットもある。たとえば、App StoreやGoogle Playは審査や安全対策が整備されているが、第三者ストアは水準がまちまちになりやすい。審査が弱いストアが広がれば、マルウェアや個人情報の不正取得などのリスクが高まる可能性がある。
さらに、フィッシング詐欺が増える可能性も否定できない。何か問題が起きたときに、どこに問い合わせればいいのかが分かりにくくなる、ということも起こりうる。
また、直面しそうな現実として、「選ぶこと」を求められる場面が増える。iPhoneであれば、Safariや既定の検索設定をどうするのか。Androidでも、標準のブラウザや検索をそのまま使うのか。いわゆるチョイススクリーンの選択だが、今後は選択肢が増えるぶん、“自分に合うものを選べる人”と“よく分からないまま流される人”の差が出るかもしれない。ブラウザも、PCのようにFirefoxやMicrosoft Edge、Operaなどが存在感を増す余地がある。
そして忘れてならないのは、AIの進歩だ。どのAIを入り口にするかで、検索や情報収集の体験も変わっていく。誹謗中傷、特殊詐欺、フィッシング詐欺など、オンラインのリスクはAIが“補助”できる部分もあるだろう。しかし同時に、攻撃側もAIを使って巧妙化していく。結局のところ、制度と技術の進歩だけで「止まる」と言い切れるほど甘くはない。
いまや生活に不可欠な存在となっているスマホ。スマホとAIの普及は、もうどうにも止められないところに来ている。世界では、オーストラリアが16歳未満のSNS利用を制限する動きも出てきた。技術も制度も大きく揺れる時代だからこそ、きちんと調べて、自分の身は自分で守る――その重要性が増していくのだろう。
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