AppleとGoogleによる手数料はどう変化? 「スマホ新法」の全面施行で何が起きているのか

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③チョイススクリーンの選択自由化

これまでスマホの標準設定と言えば、iPhoneならSafariとGoogle検索が標準となり、AndroidならChromeとGoogle検索がスタンダードになっていた。このブラウザや検索エンジンの標準設定について、変更を簡易にし、選択画面を表示するなどユーザーの選択に資する措置が求められる。日本だけではなく、EUなどでも検索エンジンはGoogleが寡占状態だが、今後は様々なブラウザや検索エンジンが普及する可能性がある。

Appleは日本向けのiOSアップデートに関連して、ブラウザ選択画面や検索エンジン選択の体験、さらにナビゲーションやアプリマーケットプレイスのデフォルト管理などのコントロールを導入するとしている。加えてデベロッパ向けには、一定の要件のもとでWebKit以外の代替ブラウザエンジンを使える新しい選択肢も示した。

④アプリ事業者への不公正な取り扱いの是正

AppleやGoogleに対して、アプリ事業者への不公正な取り扱いをしないことや、モバイルOSの機能利用を不当に妨げないことなどが求められる。地図や音声アシストなどの選択肢が広がることも予想される。

第三者ストアの利用は増えるのか?

⑤決済アプリのNFC機能の開放

iPhoneの“かざす決済”はApple Pay/Appleの仕組みが前提になってきたが、OS機能の利用妨害を禁じる枠組みの中で、非接触決済(NFC等)を含む機能の開放・選択肢拡大が進む可能性がある。

ざっとこんなところだが、この中で最も注目すべきは、やはりアプリストアまわりだろう。人気ゲームの「フォートナイト」で知られるアメリカの「Epic Games」は、スマートフォン向けの自社アプリストアについて、日本のiOS向け提供を2026年初頭に開始する見通しと報じられている。こうした動きが“入り口の競争”をどこまで揺らすかが焦点になる。

ただ、iPhoneで第三者ストアが使える場面が増えても、すぐに「みんながApp Store以外からインストールする」ようになるかは別問題だ。人は慣れた導線を変えにくいし、企業側もサポートの複雑化を嫌う。加えて、ストア運営には審査と責任がつきまとう。

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