トライアルが営む「一泊2980円温泉宿」驚きの満足度!さらには「ミシュラン旅館の運営」まで!?→24時間スーパーが別業態の宿を手掛けた意外な理由

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重機の免許を取りに行ったスタッフもいる。もちろん建物などプロの手を借りるべきところは適切に借りているが、どのように景観を生かして、温泉でくつろいでもらうためにはどんな造りがいいか……できるだけ自分たちで現場に立ち、考え、手を動かした。

ロッジ虎の湯の露天風呂
ロッジ虎の湯の露天風呂(写真:トライアル)

「自分たちでやる理由は『価値は自ら作り出していこう』という会社としての行動指針に基づいています」(中山悦良さん)

自分たちで価値を生み出すために動いた行動が、結果的にコストを抑える結果にもつながったという。現在は、トライアルグループ内に建設を担う「トライアル開発」もあるため、そちらも上手く活用して補修や新しい施設づくりに取り組んでいる。

破格の一泊1980円から始めたわけ

価値を作り出すことに加えて、コスト削減も大きく意識した。

「当時のトライアルというのは『安さ』を何よりの武器にして成長していた時代でした。なので、虎の湯でも旅館において圧倒的低価格の値段を実現しようとしました」

そのため、バスタオルやアメニティはなし、布団を敷くサービスもなし……とサービスはごくシンプルに。その代わり、値段はトライアル会員なら一泊素泊まりで1980円~、二食付きでも一泊ひとり4980円~と圧倒的低価格を実現。

サービスをシンプルにしたのは安くするためだけではない。「お客さんに自分たちのペースでゆったり楽しんでもらいたい」という点からもだ。

山と草木が織りなす風景
山と草木が織りなす風景に心ほぐれる場所だ(写真:筆者撮影)

チェックインもシステム化し、部屋までの案内もなしにした。こちらも、この場所の価値を考えて適切な対応を考えた結果である。それがさらなるローコスト運営につながった。

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