トライアルが営む「一泊2980円温泉宿」驚きの満足度!さらには「ミシュラン旅館の運営」まで!?→24時間スーパーが別業態の宿を手掛けた意外な理由

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筆者が利用した当時の朝食
筆者が利用した当時の朝食。これにごはんと汁物が付いた。おかずがいろいろ食べれてうれしかった記憶がある。今はお弁当タイプの朝食を提供している(写真:筆者撮影)

部屋は清潔で快適。一度利用してすごく気に入り、九重に行く人たちにはこの宿を勧めている。

萌葱室内の様子
萌葱室内の様子(写真:筆者撮影)

トライアルが宿を始めた《意外》な訳

そもそも、なぜスーパーのトライアルが温泉宿を始めたのか? その出発点は意外なところにあった。

「トライアルは社員研修に力を入れておりまして、大規模な研修ができる施設を探していました。そんな折、阿蘇くじゅう国立公園内に運営していないホテルがあるという情報を聞きつけて、研修施設にするために購入しました」(トライアルゴルフ&リゾート佐藤勇太さん)

しかし、国立公園内であるため土地利用の制限がある。研修施設としてだけ利用することは認められず、敷地内で事業を営む必要があった。そこで、トライアルは宿運営にも乗り出すことになる。

きっかけは制約だったものの、やるからには本気である。

運営にあたって参考にしたのはマイケル・E・ポーターの『競争戦略論』だ。同書では、ビジネスの考え方は大きく2パターンあるとされている。

① コストを極限まで削り、安さを武器に広く販売する「コストリーダーシップ」
② 他が真似できない独自性を持ち、高級路線へと振り切る「差別化」

この考えをベースに、①の方向性で圧倒的な安さを追求した「ロッジ虎の湯」(オープン当初は「虎乃湯」)と、そして②の差別化の方向で高級路線の「大分九重久織亭」という2つのブランドを立ち上げることになった。

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