高額転売や模倣品も…ボンボンドロップシール人気はなぜここまで過熱したのか 「平成女児」の心を掴んだ〈シール交換〉ブームの実態

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実はこのボンボンドロップシール、あまりの人気から現在高額転売が横行している。販売価格の5倍以上の値付けをしている業者も存在し、模倣品も出回っている。プリントのズレが激しかったり、立体感が甘かったり、信頼できる販売店で購入しないと危ない。原宿の竹下通りなど、人が集まる街のショップにも「偽ボンドロ」が溢れている。

本物のボンボンドロップシールの品薄の状況が続く今、匿名で参加できるLINEのオープンチャットやスレッズなどのSNSでも有志による情報交換が活性化。「今、渋谷のハンズに在庫ありました!!」など、在庫状況の投稿が活発に行われている。オープンチャットに転売目的のユーザーが紛れてくることを防ぐためか、合言葉を入力しないと入れない部屋もある。

大きなコミュニティで投稿するとすぐ在庫が枯れてしまう背景もあり、それぞれ連帯し、伏せ字や隠語で情報をシェアしているアカウントも出現。商品の希少性が、匿名コミュニティの連帯感を強めているというわけだ。

子どものシール交換に翻弄される親世代

平成女児だけではなく、令和の子どもたちも虜にしているボンボンドロップシール。つまり「子どものシール交換のためのシール購入」のため、親たちも翻弄されている。前述の通り、ネット上で入荷情報を探そうにも、在庫情報が共有された瞬間に完売。大手チェーン店でも抽選販売だったり、長蛇の列に並んだりしないと手に入らないのだ。

筆者も小学2年生の子どもに「シール帳が欲しい!」とせがまれて購入した(写真:筆者提供)

「最近のボンドロ人気は異常です。オープンチャットの情報を基に6時間練り歩いて、ようやく2枚買える程度。交通費とか考えると転売で買ったほうがよっぽど早いです。それでも達成感があるし、転売ヤーから買うのは嫌なので、正規ルートで粘っています」(まおみさん)

メーカーのクーリアは現在「全種類の増産体制に入っており、12月中旬頃に新ディズニー、スヌーピー等が発売予定です」とアナウンスしている。すべての平成女児が自由に、シール帳をいっぱいに埋められる日も近いか。

小沢 あや ピース株式会社代表 編集者

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おざわ あや / Aya Ozawa

音楽レーベルで営業とPRを経験後、IT企業を経て独立。2021年、企画・編集の「ピース株式会社」を設立。企業やミュージシャンの発信支援を行うほか、エッセイも執筆。さまざまな業界で働く女性をゲストに迎えるポッドキャスト番組『働く女と◯◯と。』を毎週水曜日に更新中。

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