「頭の良さ」に価値はない。AI時代、人間に残された「3+1」の仕事とは何か

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AIが生成した内容は、一見すると見た目がきれいで、論理的にも高品質に見えたりします。でも、「受け手に本当に刺さるのか?」「相手の状況や文脈とずれていないか?」という評価は、人間の感性と経験知がなければ見抜けないのです。

フィジカル:人間社会の永遠の価値

ここまで書いてきた「経験知」「決断」「レビュー」の価値を支える、人間ならではの価値の土台が「フィジカル」です。もとは「身体的な」「物理的な」といった意味ですが、ここでは「人間の体という物理的な存在があるからこそ生める価値」のことを指しています。

フィジカルは、他の「経験知・決断・レビュー」を支える、インフラのような存在と言えます。そのため、4つではなく「3+1の価値」として定義しています。

たとえば、経験知を積むためには、人と数多く会って、話を聞き、フィードバックを受ける必要があります。良質なフィードバックは、現場で生まれます。オンラインでは聞けない一言や雑談、微妙な空気感のなかにこそ本音が潜んでいます。決断のための判断材料もそうです。

どんなにデータを揃えても、その裏にある事実や背景、現場の空気を自分の目で見て感じなければ、まともな意思決定はできません。

もちろんレビューをするうえでも、前述したようなリアリティのある情報を肌で感じ、成果を出した経験がなければレビューの精度を高めることはできません。つまり、フィジカルの価値とは、情報の種類と質を高められることにあるのです

三浦 慶介 株式会社グロースドライバー代表取締役社長

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みうら けいすけ / Keisuke Miura

1983年生まれ。一橋大学法学部卒業。サイバーエージェント、リヴァンプ、グロース上場企業スパイダープラスのCMOを経て2025年に独立。ゲーム・小売・飲食・教育・建設Techなど幅広い業界で事業成長を牽引。会員数150万を超えるヒットゲームの開発、数百万人が利用するCRMアプリの企画・開発、年間数十億円を運用するマーケティングチームの内製化、1年で生産性を160%改善する営業改革など、業種・業界を問わない事業成果を実現。現在は「AI時代の人材育成×事業戦略」を専門に、事業成長の伴走支援と知見の体系化に取り組む。著書に『AI時代に仕事と呼べるもの』(東洋経済新報社)がある。

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